原作も読んでみてください。
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月17日 22時14分
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総合評価:
4.0
原作は四コマ漫画のやや不条理系ギャグの作品です。
若干物語がごちゃごちゃしているのは、原作の特性ゆえ。
私は原作の大ファンで、映画化されると聞き「どんな感じになるんだろう」と期待と不安が半分ずつでした。
主役のふたりであるイサオと幸江は、ぶっちゃけてしまうと貧乏くさく、幸薄そうなどうしようもない感じなんですよね。
それを中谷美紀さんと阿部寛さんが演じるとのことで、イメージが……。
しかし、中谷さんがちょっと特殊メイクをして、原作の幸江の雰囲気に寄せています。
名物のイサオのちゃぶ台返しは面白いのですが、スローモーションにする必要はなかったかなぁ。
原作を知っていると「ここは少し違うんだよなぁ」というシーンはどうしてもありますが、重要な部分は拾っています。
子どもの頃の友人、熊本さんとのシーンもきちんと再現されていました。
本作で最も優れていると思ったのは、幸江がポストに母への手紙を投函するシーン。
これは原作でも同じです。封筒をよく見ると、手紙を投函したことの意味を考えさせられるかと思います。
人生というものは時には情けなくて、惨めだったりもしますが、産まれてきたこと、そして次代にそれをつなげることには確かに意味があるものですね。