泣けるだけではない
2020年8月21日 10時35分
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総合評価:
4.0
戦争や原爆について描かれた映画というと、つらい、悲しい、というイメージがありますが、この映画はちょっと違います。ただ、悲しいだけの映画ではなく、ちょっとしたユーモアやしみじみとした情感があふれていて、最後には少しホッとする内容になっていたところがすごくよかったです。
広島で生活をしていた一人の若い女性の、結婚生活や日常の様子が細かく描かれているのですが、ちょっと抜けたところもある主人公のすずさんと、夫や家族とのやりとりが、ユーモアも交えて展開されます。キャラクターの絵もふんわりとしていて、リラックスしてみることができました。
また、当時の生活がただ貧しく辛いだけでなく、そこには戦争前の豊かな生活が反映されていたり、さまざまな工夫があることがわかって、興味深く思いました。当時の人々に親近感がわきました。
それだけに、戦争で登場人物が傷つくシーンはかなりつらかったです。明るく平和な見晴らしのいい畑に突然爆撃機が襲ってくるシーンや、原爆のシーンは、臨場感があって迫力を感じました。