すばらしき世界
下町で暮らす短気な性格の三上(役所広司)は、強面の外見とは裏腹に、困っている人を放っておけない優しい一面も持っていた。過去に殺人を犯し、人生のほとんどを刑務所の中で過ごしてきた彼は、何とかまっとうに生きようともがき苦しむ。そんな三上に目をつけた、テレビマンの津乃田(仲野太賀)とプロデューサーの吉澤(長澤まさみ)は、彼に取り入って彼をネタにしようと考えていた。
今年のベスト!などと軽々に言うものではないとわかってはいるが、そう言いたくなる気持ちもわかってほしい。いろんな種類の映画があっていい。アクションも好きだし、悪夢のような胸糞映画も好きだ。しかし西川美和監督は格別だ。いつも待っている。西川作品ではスクリーンを見つめながら、どうして監督はこんなにも人間を冷静に見つめることができるのだろう、どうして世界をこんなにもリアルに切り取ることができるのだろうと考える。自分が役所広司だったら、自分が仲野太賀だったら何ができただろうと自問する。気づくと映画を観ているというよりも、映画と語り合っている。映画にはそういう楽しみもある。西川美和監督は前作の「永い言い訳」もそうだったが、豊穣な対話の時間を提供してくれる。これまでいろいろな映画でたくさん見てきた役所広司にまだ知らない側面があることに驚いた。長澤まさみがムンムンして相変わらず可愛いのは言うまでもない。さ、2回目を観に行こう。
役所広司がまさに役柄の「三上さん」そのもので凄い。 実に複雑な味わいで、幸、不幸は客観的に推し量れるものではなく、それを決めつけることなど不可能なことではないかと考えてさせられてしまう。 「三上さん」は本当にこれで良かったのか?、作中で三上は「偽善者なんぞと関わるのはごめんだ」という台詞を吐くが、周囲の人間がそうではなかったと断言できるのだろうか?。 我慢と忍耐をし続けて精神をすり減らしてまで「まともな生活」を送ることが本当にまっとうな生活なのだろうか?地獄というのはこの世界なのではないだろうか?。 私はこの作品がハッピーエンドだとはとても思えない、タイトルの「すばらしき世界」には物凄く多重に意味や皮肉が込められていると感じた。 タイトルなんだからそういうものでしょ?と言われるかもしれないが、あの、キマリすぎな程の題字の表しかたを見ると、とてもそうとは思えず、なんだか恐ろしさを感じてしまうのです。
このレビューにはネタバレが含まれています
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