土屋太鳳の魅力あふれる一作
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月22日 02時27分
役立ち度:0人
総合評価:
3.0
土屋太鳳といえば明るくて元気溌剌なイメージをお持ちの方が多いと思います。
しかし彼女は、2018年公開の映画『累 -かさね-』で演じたような、暗くてダークな役柄も持ち味の一つだと私は思います。
そして、今作『哀愁しんでれら』においては、物語前半では健気で純粋な一般的なイメージに近い姿を見せ、物語後半では、前半からガラリと変わってダークで陰のある姿を披露しています。このハイブリッドな役柄を、どちらも見事に演じています。決して二つの役柄を別個に演じているのではなく、一人の女性の中にある二面性というものをいいバランスで表現できていると思います。女優としての土屋太鳳をまず知りたいという方には、間違いなく今作が適任でしょう。
主演以外の俳優もそれぞれうまく役にはまっており、軽やかさや不穏さをうまく醸し出している映像と音楽もいいです。
しかし今作で残念だったのは物語の結末です。その内容は伏せますが、この結末に納得できるかは人によって大きく異なるでしょう。私は後半の展開と結末を考えたときに、どうしてもしっくりきませんでした。
とは言っても総じて質の高い映画なので見た甲斐はあったなという印象です。
とにかく土屋太鳳に興味がある人は何が何でも見るべきです。
イメージワード
- ・悲しい
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