映画ポップコーンの評価
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このレビューにはネタバレが含まれています
出演者の顔触れや予告から「テレビ的な域を出ない安易な作品」なのではないか」と敬遠していた。しかし本作がTSTAYAのコンテストで賞を獲得した気鋭の監督の作品だということで劇場鑑賞。印象的だったのは土屋太鳳の存在。そのハードな作品性から3度も出演を固辞しながら、監督のラブコールで出演を決めたという。そんな彼女はいささか荒唐無稽な物語の中で実在感を保って演じていた。親子関係に執着するところ、正しくあろうとかられるところ、艶めかしく夫に接するところなどテレビのイメージを払拭し、この映画の独特のイメージを支えていた。なにより彼女は正直ものゆえの不幸がよく似合う。そうした土屋太鳳の輝きは、渡部監督の手腕によるところも大きいと思う。ブラックコメディのような入り方で油断させながら、秀逸なせりふ回しでハッとさせ、不可解な人物たちの言動で禍々しい世界に誘っていく。映画館は夢を観に行く場所であるが、同じ夢でも悪夢を描く監督がいてもいい。この監督の作品、チェックしておくべきである。
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