平和とは
2021年5月18日 13時06分
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総合評価:
5.0
押井守作品というと当たり外れが結構あったりします。
結論から言うとこの作品は「当たり」です。
原作も読みましたが、押井版のアニメの方が圧倒的に良かったです。
(比較すると原作ファンに怒られそうですが)
物語はキルドレと呼ばれる成長しないため、戦争で死ななければ永遠に生き続ける子供達を中心に描かれます。
この設定ですのですので、よく青年アニメにありがちな「成長物語」になる事もありません。
しかしながら押井守は作品において明確なメッセージを持たせることに成功しています。
話自体ともすれば残酷な話になってしまいそうですが、ひたすら美しい風景にだらだらとした日常のシーンが多く、それでいて退屈しません。
平和であるが故に「退屈な日常」がよく描けていると思います。
後に押井守はインタビューで「生きるのもそう悪い事じゃないと言いたかった」といった趣旨の発言をしていた記憶がありますが、まさしくその通りの作品です。
平和とは即ち日常であり非常に退屈なものだが、それなりに美しい。
そんなメッセージが伝わって来るようでした。