自由が燃える温度
2021年2月14日 11時08分
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総合評価:
4.0
マイケル・ムーア作品の傑作のひとつ。
この作品をみた当初は知らなかったのですが、タイトルは焚書をテーマとしたSF「華氏451」から引用したとのこと。
本が自然発火するほどの高熱。それよりもさらに熱い「911度」。
アメリカの同時多発テロは、当時私もテレビで見ましたし「なんて恐ろしいことをするんだ」「ひどすぎる」との怒りを抱きました。
アメリカ人でない私さえ、そう思ったのですから国内のひとびとの怒りはもっと激しく「熱い」ものだったかと思います。
前半では主にその後に起きた、大量破壊兵器撲滅のためのイラク戦争についてユーモアを交えて描いています。
この辺りは非常に面白くもあるのですが、やや感情的にすぎるようにも感じました。
一方、イラク戦争により、無辜の人々が殺され、家屋を失うという事態についても描かれており、大変興味深い内容でした。
マイケル氏の作品は、この後の「シッコ」までは面白かったのですが、最近は政権批判の方に走りすぎていまひとつ……。
本作あたりのさじ加減がちょうどいいのではないかと思います。