期待ほどノレず
2021年2月11日 21時16分
役立ち度:0人
総合評価:
3.0
Netflixのオリジナル映画。
「市民ケーン」の「共同脚本家」とされている、
「マンク」ことハーマン・J・マンキーウィッツを描いた物語、
ということだったので、同作創作の葛藤や、苦労を描いているのかと
思いきや、そういうことよりもマンクの人物像にフォーカスを当てて、
彼をとりまく映画会社や妻とのやりとり、政治的な内幕等、
過去と現在を織り交ぜて複合的にエピソードを構築している。
各シーンをかなりテンポよく描いており、
主演のゲイリー・オールドマンの熱演もあって
それなりに面白く観れるのだが、個人的には時間軸は一本化した方が
物語としての達成感は高くなったのではないかと感じた。
それ以上に気になったのが、画面の暗さだ。
というよりも役者の「顔」への光量の少なさと言うべきなのか。
自分の視聴環境が良くなかったのか分からないが、
とにかく人物の顔、表情が分かりにくくてストレスを感じた。
昔の白黒映画を観ていると、役者の顔への照明には
とても気を使っていることが分かる。
もし自然な陰影を生かした画面にしたかったということであれば、
普通にカラー映画にすればよかったのではないかと感じた。
とはいえ、第78回ゴールデン・グローブ賞最多6部門で
ノミネートされており、評価を受けているということを考えると、
あまり文句をいう訳にもいかないか。