主演男優賞、獲ると思ったのに
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年3月1日 14時31分
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総合評価:
3.0
ストーリーは特に「市民ケーン」を知らなくても良いけど、楽しめなかったことに悲しかった。
デビッド・フィンチャー監督の最新作、しかもゲイリー・オールドマンが主役。もう鑑賞前から期待値は100を超えていたのが、いけなかったのかもしれない。
それでも、ハーマン・マンキウィッツというキャラクターは、良い意味でアク強かった。
毒舌で、ギャンブル好き、しかも強度のアル中。
文字で見ると、イヤな感じを受けるけど、とにかくチャーミング。
皮肉は言うし、ワガママ言うけど、さりげない優しさやウィットに富んだ会話に、強烈な魅力を感じる。高低差で耳キーンなる、ギャップが、グッとくる。
演じるゲイリー・オールドマン以外の俳優が思い浮かばないくらい、ハマっていた。
この映画自体を操っていたような感じすらする、本物の俳優だと、この映画でしみじみ感じた。
昔のキレキレな演技の凄味に円熟味が増して、俳優としての魅力全開だった。
過去と現実を行ったり来たりして、観ているマンクの現状に繋がるストーリーが、だらだら感を感じてしまった。
マンクの執筆中の今を知りたくて、観終わった。
デビット・フィンチャー最新作、というより、ゲイリー・オールドマン主演、最新作の方が合っている感じだった。