不条理に生きた女性の強さ
2020年9月8日 16時06分
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総合評価:
5.0
セルマという1人の女性。社会的そして身体的に弱くても、精神的にとても強い女性。ミュージカルという喜びを生きる糧にして、見事に生きている。
ここまでの不条理が1人の女性に襲いかかる。その情景を見ながら感じるよりも、見終えた後に襲いかかる重たい気持ちの方が大きい。
筆者は女性であるし、主人公のセルマが子供を手に抱きたったという気持ちも充分に理解できる。運命の歯車はどこで狂わされたのか?
というと、やっぱり子供を女1人で育てているところではあると思う。
世間が弱者を助けないからだ、悪人、不条理を作り出す人間がいるからという背景もある。ただ、最後まで自分特有の幸せの形にひたり、
生きていくセルマを見ていると、たとえ最後が残念でかわいそうでも、卑怯な人間よりもずーと幸せじゃないかと。。神はいるのかいないのかよりも、生きている人間の中に神性が働いているのだというきずきが得られたり、この作品を見て不条理に心を痛めたら他人事ではなく、自分自身のあり方を見つめ直していくいい機会である。