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「道化師 対比する」 ジョーカー 映画三十郎さんの映画レビュー

ジョーカー Joker

道化師 対比する

このレビューにはネタバレが含まれています

2020年8月7日 16時52分 役立ち度:0人
総合評価: 5.0
この映画の主役はジョーカーだけれど、どこにでもいる道化の物語である。人は皆道化であり、それは太宰治の言うところでもある。太宰はそれをひとりの人間として描いたが、トッド・フィリップスは王勢の人間として描いたのだ。彼らは無作為に暴れ、デモを街中で繰り広げる。太宰が個に、自己の内部に向かっていったのと比べて、である。

彼らは自己への戦いから目を背けて、外へと向かったのだ。その弱さが笑みへと繋がり、暴動へとなる。

しかしながら、当の本人は病的なのだ。ジョーカーにそんなことは関係ない。己の病に苦しみ、己の内部にある強さに立ち向かい、弱きを排する。これがジョーカーの正体だったのだ。それならば、周りの奴らは?あいつらはあいつらでジョーカーなのだ。

つまりは、ジョーカーとは、強さと弱さの対比されたものの尺度である。彼らは並列だが比べられない。それぞれの強さと弱さがあるが、個を見つめればそれぞれの悩み(弱さ)が存在する。彼らの先頭にいるのがジョーカーであり、全体の強さの象徴なのだ。
詳細評価
  • 物語
  • 配役
  • 映像
  • 演出
  • 音楽
イメージワード
  • ・悲しい
  • ・知的
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