ダークヒーローが誕生するまで
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年7月24日 13時11分
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総合評価:
4.0
これまでのジョーカーの中で一番影があってある意味人間らしかったとも思います。いつもは悪役として殺人に快楽を見せる彼ですが、この映画では、突然現れて悪の限りを行うジョーカーの姿はむしろ醜い社会をぶち壊すシンボルとして描かれています。正しく機能すべき政治や警察が金儲けに走り、犯罪者がむしろ正義のヒーローに見えるように描かれて美しく終わる映画はヴィランズものでは定番の展開ですが、ジョーカーが実に不気味に演技をしており彼に感情移入して100%感動して見終わるというわけにはいかなかったです。それがジョーカーをなお悪党に見せていてよかったのかもしれませんが。あの独特な笑い方と表情は間違いなく彼にしかできないと思います。あと個人的には、随所に使われる音楽がよかったと思います。総じて、ダークヒーローの誕生までをうまく描いた、良い映画だったかと思います。バッドマンで登場するジョーカーとはまるで違う印象を受けるので、その辺りを私はうまく受け入れられず、星4にしました。