継承、というシンプルなタイトルが示す恐怖
2021年2月19日 21時40分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
本作は人間の恐怖と、オカルト的な恐怖の2つの角度から攻めてくるホラー作品です。
監督のアリ・アスターはミッドサマーで知ったというかたも多いのではないでしょうか。
まず主人公は誰で、誰(何)が原因で、誰が狙われているのか?ということがなかなかわからない。
主人公だと思った人が次々と退場してしまいますし、そもそも信頼できる語り部があまりにも少ないです。
そしてなかなかにグロテスク。
ミッドサマーほどではないものの、途中なかなかにグロテスクなものが飛び出してくるため苦手な方は注意です。
でもこれすらもきちんと伏線をはってあって、ただのびっくりで終わらせないのがこの監督の手腕ですね!
最終的には人間の想い、信仰というのはどこまでも深く恐ろしく純粋なものだと感じました。
ラストのシーンは禍々しいのに、どこか天国のようで、澄んでいる印象を受け、ミッドサマーのときも感じた監督アリ・アスター特有の空気感に満足しました。
タイトルのヘレディタリー/継承というのも、全てを見終わった後だとこれほどまでにこの映画を端的に言い表した言葉はないのではないかというくらいぴったりなタイトルです。