解明されないからこその怖さ……が多めでした
2021年8月9日 21時43分
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総合評価:
4.0
短篇集形式の映画で、心霊系を中心とする、不可解でスリルを感じさせられる小さな話が10編楽しめます(原作は99話から成る掌編集です)。
あれは一体何者だったんだろう、といった感じの解き明かされないタイプの怖さが多く、題材もバラエティに富んでおり、期待以上に楽しめました。
直接的なグロテスクな描写がないので、そういった路線のホラーが苦手な人にも安心しておすすめできます。色々なタイプの話がある分、自分のようなホラー初心者が、自分がどんな怖い話に刺さるのか探してみるのにもうってつけでした。
個人的な好みになりますが、子どもが出てくる怪談に弱い自分としては、子どもたちの幻であったり赤ん坊の声であったりが絡む二編の話に、特にザワザワさせられるものを感じました。また、三話目の「尾けてくる」というお話の、何とも言えない後味の悪い閉じ方は特に印象に残るものがありました。
本当にあった話なのではないか、と思わせる、さりげなくも陰気な語りが、怪談や都市伝説の報告を聞いているような印象です。夏におすすめの一本です。