鈍器で殴られた気持ちになる映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年8月23日 13時27分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
濃い。深い。重い。何が、誰が悪いのか分からなくなる。
全員で詐欺をした家族?それともまんまと騙された金持ち一家?もしくはこの世界が狂っているのだろうか。
1つの家の中で一方は生きることに精一杯なのに対して、もう一方は優雅にパーティーを開いている。なんだか世界の闇や矛盾を感じた気がする。
そして地下にも住民がいたことは驚きだった。お互いの弱みを握り、蹴落とし蹴落とされ…どんどん嘘がエスカレートし、どんどん展開が変わって、終始ハラハラさせられた映画だった。目が離せなかった。
見終わったあと、なんだか心臓を後ろから殴られたような気持ちになった。それも鈍器で。ポンジュノ監督が私たちに何かを伝えようとしている、そう感じ取れた。
胸になんだかわだかまりが残る、それでももう1度観たくなる、そんな映画だった。
私はモノクロバージョン、カラーバージョンで見える景色、そして感じ方も変わってくるだろう。ぜひ、そのバージョン2つともを見ることをお勧めする。