気持ち悪さが拭えない
2021年1月24日 00時58分
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総合評価:
3.0
日本の是枝監督作品と似ているとは聞いていて、確かに似ているものの、是枝監督の作品にはある余韻の心地よさみたいなものがなく、見終わった後に後味の悪さしか残らなかった。その要因の一つとして、リアルなのか、過剰なのかわからない演出の数々が挙げられると思う。単純に汚いというだけではなく、とにかく気持ち悪い、という印象が強く残った。ただ、気持ち悪いとは思いつつ、画面から目が離せなかったのは、きっと見るものを惹きつける演出方法があったからなのだと思う。また、韓国社会の実態を垣間見えたのはおもしろかった。半地下という住居があることはもちろんだが、年長者を敬うこと、貧富の差がとても大きいこと、そして何より学歴や生まれ育った環境でその後の人生がほぼ決まってしまい、貧しい生活から抜け出すことは非常に難しいということ。貧しい生活の中でも、とにかく家族を大切に思うところは心が救われた。ストーリーはテンポよくどんどん進んでいくので、あっという間に時間が経っている。特にラストに向かってはすごいスピードで進んでいく。一見穏やかな人ほど心の中で何を思っているかわからないな、という点は勉強になった。