日本にはない!韓国だからこそつくれるもの!!
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月27日 05時49分
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総合評価:
4.0
日本では、あまり馴染みのない半地下物件に住む家族の日常がありえなさそうにみえて現実の韓国社会で起きているというのが考えさせられるところです。例えば、Wi-Fiを拾うシーンやトイレが少し高い場所にあるなど半地下の日常をリアルに感じることができました。半地下だからこその苦労や困難のようなものも家族のキャラクターによって明るく感じるシーンが多かったように感じます。
半地下ファミリー達が生活のためにお金持ちに近づいていくところからどんどんジェットコースターのようなテンポになっていて、目が離せません。序盤のコミカルなコンフィデンスマンになりきった半地下ファミリーの巧みな話術やスキルには、少し笑いがこぼれます。
しかし中盤になって家族が全員屋敷で働くようになってきた頃からこの映画は色が変わっていくように感じます。特に、元家政婦が訪ねてきたところは正直寒気がするほど怖いです。予想だにしなかった展開で格差を描いていくところが今までになかった映画だと思います。格差というのは、終わりがないというようなメッセージ性を感じる気がします。日本ではなかなか描くことができない本当にシビアな韓国社会格差というものをほんの少し見せた映画だと思っています。
よりリアルに感じられたのは、やはりソン・ガンホやイ・ジョンウンといった韓国屈指の演技派俳優達によって生まれたものだと思います。