地味な佳作です。
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年5月24日 11時00分
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総合評価:
3.0
宣伝ポスターとは違い、地球外生物と戦いを繰り広げる映画ではありません。宇宙から帰還した宇宙飛行士に地球外生物が寄生していて、それに対応するために女医が僻地の施設に招へいされるというものです。その寄生生物は人間が恐怖を感じると出る物質を好物にしているという辺りは、昔のソ連時代から現代ロシアに続く様々なことの比喩なのでしょう。その生物を何とか利用するために、その施設に何らかの罪で収容されている人たちが餌にされてゆくというのも、ソ連の歴史を考えさせる展開です。様々な映画で日本版のポスターと海外版のポスターのデザインが全く違う事は多いですが、この映画の日本版のポスターもいろいろと盛り込みすぎになっていて、内容との関係が薄くなっていました。様ざまな背景描写や寄生生物のデザインが、独特のロシアらしさを出している映画になっています。全体として地味な佳作だと思います。映画批評サイトのロッテントマトでも、高い評価を受けている映画です。