ファーザー
ロンドンで独りで暮らす81歳のアンソニー(アンソニー・ホプキンス)は、少しずつ記憶が曖昧になってきていたが、娘のアン(オリヴィア・コールマン)が頼んだ介護人を断る。そんな折、アンが新しい恋人とパリで暮らすと言い出して彼はぼう然とする。だがさらに、アンと結婚して10年になるという見知らぬ男がアンソニーの自宅に突然現れたことで、彼の混乱は深まる。
アカデミー賞主演男優賞にノミネートした 「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」のリズ・アーメッド、 「マ・レイニーのブラックボトム」のチャドウィック・ボーズマン。 個人的にはリズ・アーメッドに取ってほしいと思いつつ、2020年に亡くなってしまったチャドウィック・ボーズマンで決まりだろうと思っていましたし、前評判もそのような感じでした。 しかし!アカデミー賞受賞の会場にもいなかった「ファーザー」のアンソニー・ホプキンスが受賞。 えええ!と驚いた記憶があります。 認知症を、周りの環境からではなく、老人本人の目線で描いたというこの作品は、アカデミー賞受賞うんぬんに関係なく見たかった映画だったので、緊急事態宣言中でも映画館が再開したので映画館で鑑賞。 本っ当に見てよかった。アンソニー・ホプキンスの演技、すごい。。これは、主演男優賞だわ。。と思いました。ちょっと舐めてた、彼の演技力を。 認知症の老人役の勝手なイメージで、ブツブツつぶやいていたり、よくわからない事を言っていたり。。という、難しくない役のイメージが勝手にありました。 ですが、このファーザーの認知症の老人役は、よく喋るし、一見ボケているように見えないシーンがあったり、とにかく難しい役どころだと思いましたが、見事に演じきっていました。 アンソニー・ホプキンスでないと演じられない、彼以外にいないと思いました。 ストーリーは前評判通り、老人目線で物語が進むので、アレ?どういう事?と情報がゴッチャゴッチャ。時系列もよくわからない。そんな感じで進んでいき、サスペンスではないので、結局正しい物語や時系列が映画の中ではわからないままで、ある意味スッキリしない。 そして、認知症の老人の話なので、ハッピーエンドも考えづらく、ある意味救いのないストーリーとも言える。それでも、見て本当に良かったと思える不思議な余韻の残る映画でした。
このレビューにはネタバレが含まれています
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