予備知識なしで映画を観る事の大切さ
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月15日 09時14分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
初めてこの映画を観た時は、なんか話題になってる、程度の予備知識だった。
いざ観始めると、え? ゾンビものだったの? という驚きから、何これ、ワンカット?
という驚きへと変わっていった。
しかし途中、本来映り込むべきでないものが映っていたり、
カメラワークがひどかったり、演技の間がメチャクチャだったりしたあげくに
尻切れトンボのように終わってしまい、変なものを見せられた気分になり、
途中で出ていこうかと思ったところで映画の後半が始まった。
見事だった。
自分が途中ダメ出ししたところは全て前フリであることが分かった。
今までに例を見ないV字回復ぶりだった。
と同時に懐かしい感情が蘇ってきた。
学生時代、自分は自主映画を撮っていた。こういう事をやったことがある人は
分かると思うけれど、どんな小さな短編であっても色んな障害があり、それを乗り越えてやっと一本の作品が完成するのである。
この映画はまさにそういうことの表裏を描いたものであった。
映画そのものの良さに加え、過去の想い出がドッと押し寄せ、複雑な感情の中で
思わず涙がこぼれてしまった。周りで泣いている人はいなかったけれど。
いずれにしても映画から与えられる感動というものは、予備知識ありで観た時よりも、なしで観た時の方が比較にならないくらい高いということを再確認できた。