典子の「道」を描いた作品です
2021年7月29日 11時47分
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総合評価:
5.0
20歳の女の子・典子が茶道を通して歩んでいく姿を描いた作品。
従妹とともにはじめたばかりの頃は、無邪気でちょっとお行儀が悪かったりします。
そんなふたりを、樹木希林さん演じる武田先生が飄々とした構えで導いていくのが素敵です。
この作品で始めに目を惹くのは、樹木希林さんの所作の美しさ。
詳しく茶道を知っているわけではないので正確なものかはわかりませんが、佇まい自体がとても綺麗なのです。
無邪気なふたりをうまくあやしながら、時には厳しく接しています。
物語の中では緩やかに時間が流れ、典子も大学生から社会人など様々な人生の岐路に立っていきます。
それはすべてうまくいく、というものではなく……。
この作品は、茶道をテーマにした、典子の人生の「道」を描いたものでしょう。
人生には岐路がたくさんあります。どれを選ぶかは自分次第。
そして、うまくいくとも限りません。
しかし「あの時こうしておけば」と後悔ばかりを繰り返しているのは不毛なもの。
「日日是好日」。いい出来事も悪い出来事も、自分自身がしっかり受け止めて次に繋げられるなら、それはすべて良きことなのです。
そこに至るまでの典子の苦悩なども描かれており、とても素敵な作品でした。
無駄なBGMもなく、凛とした雰囲気がよかったです。