苦悩する父親を描いた物語
2021年9月3日 20時00分
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総合評価:
5.0
「ゴッドファーザー」は第一作目が名作の誉れ高いが、私はこの「パート2」が好きで、あらゆる映画の中でも最も素晴らしいと感じる一作でもある。
何がこの映画の魅力なのかとよく考える。隆盛であったマフィアのファミリーも時代の変わり目でだんだんと勢いを失っていく。そんな中で組織を率いていく主人公マイケルの苦悩が上手に描かれている。
演じるアル・パチーノはこの映画の撮影中、持病があり体調が思わしくなかったという。なんとなく元気がない感じが、物語中の苦悩し勢いを失っていく主人公とマッチしている。
また、この映画は、父ドン・コルレオーネがシチリア島からアメリカに渡り、ドンになるまでのストーリーとシーンが交互に現れるカタチで進行する。そのシークエンスも素晴らしく、父親と息子、運命に従い同じような道を歩んでいくが、アメリカにおける時代の違いから境遇も変わってくる、そんな様子が比較してよく理解できるように構成されている。
何年かおきに再度、鑑賞しなおすが、見ている自分の年代も変わるせいか、毎回、違った味わいを感じられる名作である。