前知識なしでも十分楽しめる!
2025年4月16日 04時01分
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総合評価:
5.0
キリスト教、カトリック、ローマ教皇…なんか重くて難しい映画を想像してしまうが、ぜんぜんそんなことはなく、サスペンス、人間ドラマ、オチまでしっかりあり、単純に面白いエンタメ作品だった。
聖職者たちもやはり人間であり、その集まりは現代社会の縮図を見るようでとても興味深かった。
ときに枢機卿たちの行動が人間臭く、コミカルにも見えてしまう。
そして、コンクラーベ(教皇選挙)もやり方こそ違えど、その人間模様は日本の国政選挙や地方選挙ともそんなに変わらないんだなと感じた。
登場する次の教皇の(主要な)候補者たちは、キャラクター性がとてもわかりやすく色分けされており、保守派、リベラル派、穏健保守、アフリカ系黒人、謎の人物、まとめ役(主人公)、そして教皇にはなれないシスター(女性)と、すごく物語を理解しやすい作りになっている。(音楽もわかりやすい使い方だし。)
また、ローマ教皇が亡くなってから次の教皇を決める選挙までのプロセスは、実際のやり方に忠実らしく、とても興味深い。
携帯機器も没収され、外部との接触禁止、そして缶詰状態…閉所、密閉状態が苦手な自分には絶体無理である…。
コンクラーベという日本人にはあまり馴染みのない儀式をわかりやすく描きつつ、そこに世界共通の社会問題を内包させ、なおかつ誰でも楽しめるエンタメ作品に仕上げていて、本当に完成度が高い映画だった。
個人的にアカデミー作品賞は「教皇選挙」の方が相応しいと思う。
あと、まとめ役に奔走するローレンス(レイフ・ファインズ)は終始困り顔で、なんだか途中から萌えてきて笑えた。
保守派のテデスコもキャラ的には最高だし、なんか「おじ萌え」映画というか、「おじさんの詰め合わせ」映画でもある。