ほのぼの南極観測隊
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年12月29日 13時25分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
海上保安庁の船で調理担当として働いていた主人公・西村が南極観測基地へ配属されるお話です。
南極の基地だと昭和基地が有名ですが、こちらはふじ基地。
観測隊員は計8名分。
彼らの生活がとにかくゆるいです。
もちろん仕事もきちんとしているのですが、どこかほのぼのとしていて笑えるものがあり「私がイメージしてる南極観測員と違う……」と思ってしまいました。
例えば、食材の中に伊勢海老が残っていたことが分かったシーン。
伊勢海老は大きいエビですから、西村は刺身にすることを勧めます。
しかし、他の隊員はよく分かっていなかったので「エビフライがいい」というんですよね。
そこで「エッビフライ♪」と楽しそうにはしゃぎながら作業をします。
そして結果的にテーブルに並んだ巨大エビフライには笑ってしまいました。
また、夜食としてこっそり隊員が食べていたラーメンが底を尽きる「ラーメン事件」も面白いです。
真剣な顔で死活問題であることを訴える隊員。
いや、計算して食べていればそんなことには……。
いかにもフィクションっぽいストーリーですが、エッセイが原作というのが驚きです。
食事をする隊員を母親の様な眼差しで眺める西村の表情もいい作品です。