緩急の効いたアクション映画の良作
2021年5月23日 23時03分
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総合評価:
4.0
記憶を失って海を漂っていた男が、残された手掛かりを基に記憶を辿っていくうちに、
徐々に自分の置かれている特殊な状況を理解し、苦悩し、困難に立ち向かっていく話。
この映画、のちに続編が製作されているが、この第1作目が一番面白い。
本作の監督はダグ・リーマン、2・3作目はポール・グリーングラスなのだが、
どうも2・3作目は画面の揺れが激しく、またカットも細かいため、
見ていて気持ちが悪くなってしまう。監督が違うとこうも違うのか、という感じだ。
「24」以降、臨場感アップのためか、ハンディ撮影での映画やドラマが増えたが、
上手くいってるとは言い難い作品も多い。
1作目は激しいアクションと静かなアクション、その緩急のつけ方がとても上手いと感じた。
特にマリーの知人であるイーモン宅に泊まった翌朝、殺し屋に狙われていることを察知し、
対決へと向かう一連の流れは屈指の名シーンだ。
また、ジェイソン・ボーンが使う戦闘術はフィリピンの「カリ」とインドネシアの
「シラット」を組み合わせているようで、この映画以降広く世間に知られるようになった。
アクションに特化した2・3作目と違い、ボーンの恋愛模様も描かれており、
1個の映画としての完成度は格段に高いように思われる。