パターソン
ニュージャージー州パターソンでバスの運転手をしているパターソン(アダム・ドライヴァー)は、朝、妻のローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にキスをすることから始まる、変化のない毎日を過ごしている。そんな日々の中でパターソンは、周囲の会話やマッチ箱といった何げない物事に着想を得た詩をノートに書き留めていた。
このレビューにはネタバレが含まれています
当たり前の生活なんて無いんだ、毎日全く違う昨日を生きているんだ、と強く感じた映画だった。 バスドライバーのパターソンと妻のローラ。アダム・ドライバーがバスの運転手というのも、なかなかジム・ジャームッシ監督っぽいな〜とクスッと笑わされる設定。 パターソンとローラが寝ている早朝で、2人の趣味が違い、それを尊重しているのが分かる。ジャケをよ〜く見ると分かる。 パターソンの1日は、会社へ向かう道の頭の中で詩を考え、運転前のバスでノートに書き、時間になったら出発。バスの乗客の話を盗み聞きし、ランチはお気に入りの場所で妻が作った食事とコーヒーを飲み、また詩に思いを馳せる。帰り道もそう。帰宅して地下の狭い書斎でノートに書き留めることもある。愛犬そしてライバルのマーヴィンを散歩させ、バーでビールを飲む。 いつものバー、いつもの散歩道、いつものノート、いつものランチ。 この映画を観ると、パターソンの生活リズムは同じだけど、「いつもの」があって無いようなものだと気が付いた。 散歩道で出会う人は毎晩違うし、バーの主人とビールを飲んで会話しても、毎晩違うし、起こることも違う。 妻ローラとのやり取りも、また違う。 でも、お互いを思いやり愛し合っているのが、ひしひしと伝わってくる。 そして、2人が可愛い過ぎる。 妻が作った夕食のパイ。夕食にパイ。ミートパイみたいなディナーパイだと言うローラ、マーヴィンを見て食べた後のパターソン。可愛い。 パターソンが、壁に飾った小さな滝の写真をチラッと見ただけで、ローラが何かに気づいて、その写真のことを話す。 マーヴィンも、賞を頂いたようで、名演技。 毎日、同じことの繰り返し、と言う人が多いけど、今のこのご時世だからこそ、オススメしたい。
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