ピクセル
地球や人類の文化ついての情報を電波に乗せて、宇宙人との交流を図ろうとしていたプロジェクト。それを宇宙人が受信したものの、彼らは人類からの宣戦布告だと勘違いしてしまう。「パックマン」「ギャラガ」「ディグダグ」「ドンキーコング」「スペースインベーダー」と、送られた情報からテレビゲームについて知った宇宙人たちはそれらに出てくるキャラクターに姿を変えて地球を侵攻し始める。巨大なキャラクターが次々と現れ、都市をブロック化していく事態に世界はパニックに陥り……。
懐かしいキャラクターが縦横無尽に入り乱れるアクション映画で、華やかなCGはシンプルに楽しく観られました。ただ、世界を救えるのは「ゲームオタク」である主人公たちだけ、という部分にちょっと期待しすぎてしまったので、「ゲームオタク」ならではの知恵のような部分があまり明確でないところが、少し物足りなく感じてしまいました。 オタクとしての力が、たとえば「動きのパターンに気付くことができる」というくらい抽象度なものになってしまうと、物理の戦いのプロにも同じ事が言えてしまいそうなので、「ゲーム」をプレイするように問題を解決するという側面がもっと具体的だったら、より楽しめたと思います。 また、ゲームへの愛とノスタルジーが鍵になる2010年代の映画は、メタフィクションであることを活かした成長物語の「シュガーラッシュ」や、資本をめぐる争いに堕したゲーム像と遊戯としてのゲーム像が拮抗する「レディ・プレイヤー1」など、「オタク」「プレイヤー」「キャラクター」であるとはどういうことか、を楽しみながら考えさせる面白い物語が多々生まれています。 ゲームを扱うすべての映画がそこを深く問うべきだとは思わないものの、本作はお話の枠組みから言って、そこに何らかの応答があることを期待させてしまうようなところがあると思うのですが、シンプルにアクションを見せるタイプの映画だった点が、賛否の分かれる部分だったと思います。観ている最中は結構楽しめたのですが、上記に挙げた作品の方が印象に残るものがありました。 ただ個人的には、脱力させるようなユーモアは結構笑えました。
このレビューにはネタバレが含まれています
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