特筆する点はとにかく映像が美しいこと。海が好きで、海の中を感じられる作品を探していてこちらを見たので映像には厳しめな目だったと思いますが、とても綺麗で繊細な作画で素晴らしかったです。
内容は正直置いてけぼり感があります。芸術作品を見る人は自分で解釈をして楽しむので問題ないと思いますが、純粋に映画のストーリーを楽しみたい方には向いていないかもしれません。
個人的な解釈で言えば、テーマ的には海と空と陸の世界を作る三つの交わりと相違点についてなのかなと思います。男の子、海と空はそのまま海と空で、るかは陸を表しているのかな。そしてその3人が関わり合った時に世界が生まれる、そんなイメージを持ちました。
芸術作品として楽しむのならとても美しいですし、世界観にのめり込める素敵な作品なのですが世間に向けた映画としてはあまり親切でない作品だったのかもしれないと感じます。
説明がほんとうに全くないので、設定されたストーリーを読み解こうとすると意味がわからなくなってしまい楽しめなくなってしまうように思います。もう少し見る人に向けてわかりやすく説明や世界観の補足があればよかったのではと思ってしまいました。
ですが映像美術としてとても美しいものだと思いますので、アニメ映画の映像が好きな方は世界観に浸って見てみると楽しめるかもしれません。個人的には好きな映画です。