富江
3年前の事故で記憶障害と不眠症を患い、精神科に通う少女・泉沢月子。神科医の細野は、彼女の記憶を催眠療法で探り、“トミエ”という名前を聞き出す。しかし月子にはその名前が誰なのか思い出せない。そして、月子の生活に突如として奇怪で恐ろしい出来事が起こりはじめる。そんなある日、警視庁の刑事が細野を訪てくる。彼は川上富江という女性について調べていた。
伊藤潤二氏の同名コミックの映画化です。 原作を読んでから視聴しました。 この「富江」という少女。 オカルト漫画の分野では「ホラークイーン」とも呼ばれています。 あまりの美しさに男たちは取り込まれ、なぜか破壊衝動すら産んでしまう。 女性は嫉妬、あるいは過度な憧れを持ってしまう。 というのが原作の流れです。 映画のほうでは、多少そういった描写があるものの少し物足りない感じがしました。 富江の写真に「ばけもの」と書いたものがたくさんあるのも、主人公・月子の富江に対する嫉妬なんですよね。 ここは原作にもあるエピソードを少しアレンジした感じで「おっ」と思いました。 それだけにもう少し掘り下げてほしかったかなー。 しかし、本作で富江が物語を動かし始めるのはかなり後。 この辺りがうまいと思いました。 それまでは後ろ姿のみの描写で、満を持して登場した、という感じがいいです。 富江役の菅野美穂さんはきれいですし、いいのですが、髪が若干荒れた感じなのが惜しいです。 富江はパーフェクト美少女で、髪の美しさから起きる物語も原作にあるため、その辺りが気になりました。 原作は「もしかしてギャグなのか」というほどの滑稽さをもった演出もあるので、そこもあったらもっと面白かったかもしれません。
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