クロエ・ジャオ監督の映画制作の向き合い方
2021年5月19日 00時48分
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総合評価:
5.0
ドキュメンタリーと映画を混ぜたような不思議な映画だった。
ほぼドキュメンタリーで、本人たちが出演し、劇中、本人の名前が役の名前。
どこからが映画か境が分からないけど、そんなことどうでも良くなるストーリー。
大怪我を負ったロデオライダーのブレイディーが主人公。
彼の中で、静かに燃えさかるロデオへの情熱は、観ていて胸が痛くなるほどだった。
静かに淡々と描かれていき、溶けていくような大自然と、あの風景が、ブロディーの熱い感情や葛藤を物語っていた。
父親や、兄、妹に、友達、ブロディーが知らない、ロデオライダーファン、ロデオ仲間、そしてパートナーになる馬。
誰1人欠けても、この映画は成立しない。
ロデオがどんなに危険なスポーツかを、この映画を通して、ブロディーや周りの人たち、パートナーを通して知った。
そして、クロエ・ジャオ監督が、出てくる人達全員に敬意を払い、寄り添い、交流を深めながら、作品を作り上げたのが、素人でも分かるのが、圧巻でした。
ノマドランド観る方も、観る予定ない方も、観てほしい映画。