12人の怒れる男
ロシア人将校である継父を殺害した容疑にかけられたチェチェン人少年の裁判が開始。隣人の目撃証言や物的証拠などから、当初は明らかに有罪だと思われていた事件だったが、いくつか腑に落ちない点があった一人の陪審員(セルゲイ・マコヴェツキー)が、ほかの陪審員に疑問を投げ、審議は二転三転し始める。
法学部に進んだら避けては通れない法廷ドラマの傑作.90分代の映画の中でも群を抜いた名作だ.日本は裁判員制度として裁判員の裁量はそこまで認められていないが,アメリカの陪審員はかなり細かいところまで裁量が認められている.制度を意識して本作を鑑賞すると,その制度の責任の重さが理解できると思う. 本作の魅力は一室の中でほとんどが有罪と判断しているにもかかわらず,話が二転三転しながら合理的な疑いが判明するところにある.法律の醍醐味ともいえるエッセンスが贅沢に入っており,理性的に考えること,ちゃんと確かめてみることの大切さが伝わる. 次々と無罪に票を変える中で,浮き彫りになってくるのが,それぞれの陪審員の中にある差別や偏見である.こうした先入観や価値観が誰かを有罪にするときの判断を濁らせていると思うとゾッとする.だからこそ,いろんな人間が納得できる根拠を立証する必要がある.また,誤解や曲解がなくなるにつれて証人まで気になってくる. 法廷ドラマの魅力がギュッと詰まった間違いなく名作である.
シドニー・ルメットの同名映画を、「太陽に灼かれて」のミハルコフ監督がリメイクした映画ですが、現代のロシアを背景にして描いているので、全く違う映画になっています。 元のルメット版の製作された米国は、司法が機能しているという背景がありましたが、本作ではそうではない現代ロシアが背景となっているところが大きな違いです。 容疑者とされる少年は紛争が続いていたチェチェン出身で、少年の小さいときのチェチェンの様子から描かれています。 ルメット版同様に一人の陪審員が有罪に疑義を挟み、そこから議論が展開していきます。 しかしながら、ナチスドイツに侵略されたり、旧ソ連が崩壊したりと困難な歴史を辿ってきたロシアなので、陪審員たちの自分に関する語りが、様々なロシアの歴史や社会を物語っていくことになります。 司法が機能していない時に、あなたならどうするか、を問う映画になっています。 上映時間は長い目ですが、それを感じさせない内容の映画となっています。
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