A.I.
地球温暖化が進んで一部の海に近い土地が沈み、妊娠・出産に厳しい許可制度がしかれ、人間の代わりに多くの資源を必要としないロボットが活躍する未来。その時代に人間と同じ愛情を持つ少年型ロボットとして開発されたデイビッドは、彼を製作したロボット製造会社の社員、ヘンリーとその妻モニカの元へ試験的に送られる。夫妻には不治の病を持つ息子のマーティンが居たが、現在は冷凍保存で眠っていて目覚める保証はなく、実質的に子供がいないのと同じだった。
このレビューにはネタバレが含まれています
この作品自体は人工知能がそこまで一般的ではなかった時代に作られていますが、近年の目覚ましいテクノロジー技術の発展を鑑みると、それほど遠くない未来に起こる話に思えてきて、見終わってからの「かわいそう」や「切ない」という気持ちとは別に感情をもったロボットが作られた場合、私たちはそれとどう向き合っていくのか…ということを考えさせられます。 人間が必要な時に求められ、いらなくなったら捨てられる…あくまで人間が作った“モノ”でしかないものの、この作品を見て誰もが思うであろう、感情を持ったら、それは“モノ”のままなのか…というところが今後議論されていく大きな問題だと思います。本作はそのロボットが人型のため、余計にこちら側の感情移入も強かったと思いますが。 自分の子供のように可愛がり、ママと呼ばれたときは驚きとともに喜びを感じていた母親から捨てられ、それでも彼女ともう一度会うことを心から願っていたロボットを見ていると、本当に心が痛くなります。元気なときに見てもしばらく立ち直れない作品です。
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