圧巻の演技が印象的なサイコスリラー
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月25日 17時26分
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総合評価:
4.0
この映画の凄い点は、主役の弱気な中年男が徐々に狂気に染まっていく演技と、それに伴って街が混乱に飲み込まれていく過程です。
舞台は1981年のゴッサムシティ。ホアキンフェニックス演じるアーサー・フレックは内気な中年男で、コメディアンを目指し、現在はピエロ役の大道芸人として生計を立てています。しかしやる事なす事上手くいかず、遂には仕事を首になり、深い闇の中に落ちていく・・・
映画の中ではアーサーの夢を懸命に追い掛ける姿と、次々と降りかかる災難の様子が丁寧に描かれていき、観る者を彼に感情移入させていきます。
そしてある時、事件は起こります。
起きてしまった事はもう取り返せない。後は流れに身を任せ、彼の夢は狂気と血に染まった祭りへと変わっていく。
映画を観ながら、アーサーの身に起こる理不尽に対し同情を禁じ得ませんでしたし、アーサーがジョーカーに変貌していく姿は涙無しでは観られませんでした。
バットマンシリーズの中でも特にダークな作品と言えるでしょうし、観賞後には何とも言えない不気味さや社会問題への関心が残りました。