差別について考えさせられました。
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月1日 16時59分
役立ち度:0人
総合評価:
3.0
主人公の敏腕弁護士アンドリューは、上級弁護士に昇格し順風満帆な日々だったのに、エイズ発症という突然の事態に会社も首になり、まさしく天国から地獄へと叩き落された様子にとても心が痛かったです。
困り果てライバルだったジョーに会社を訴えるために弁護の依頼に行ったところ、正論で断られて行くシーンは世間の冷たさを感じました。
自分がアンドリューの立場だと精神的に参ってしまい、会社を訴えるパワーなんてこれっぽっちも出てこないと思い、芯は強いのかなぁとも思いましたが、表情は発病でしんどいのもあると思いますが、うるんだような瞳から発病と差別に苦しむ様子がよく伝わってきました。
その彼が図書館で司書に嫌な言葉をかけられていた時に、それを見かけたジョーの今までとは違った反応をする所は見どころだと思いました。
エイズに対しては、この作品ができた時代とは違って、今は随分医学も世間の理解も進んでいるとは思いますが、その過渡期の様子を記録している様にも思えました。
派手なストーリーの展開はありませんが、後半は法廷での様子が静かにしかし熱く進んでいくのが圧巻でした。
色々な差別について「自分ならどうするのか」を問い続けている内容でした。