後味の悪い作品
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年9月23日 20時11分
役立ち度:0人
総合評価:
2.0
最初から最後まで、もやもやした気持ちにさせられ、見終わった後も後味の悪い作品でした。
定職につくことができず、盗んだものを売ったりして生活している主人公。
この時点で何の実績もないのに、自己主張が強く、自分はできる人間だ、と根拠のない自信に満ち溢れている様子を見て、「あぁ、こういう人間っているよなぁ。」と思いました。
ある日、偶然交通事故の現場に遭遇し、パパラッチが撮影しているのを見かけます。
そのスクープ映像がお金になると知り、自分もやり始めます。
やがて、人を雇うようになりますが、雇った人間に対する横暴さなどに嫌悪感を抱きました。
仕事はうまくいくようになりますが、スクープの過激さを求めるようになり、ライバルのパパラッチの事故現場を撮影したり、強盗現場を撮影しても、警察に協力しなかったりと行動がエスカレートしていきます。
この辺りは、過激なものを求めて、善悪の判断がつかなくなるユーチューバーに通じるものがあると思いました。
最終的には、雇っていた人間を利用した過激な映像を撮影するに至ります。
人の命や気持ちなどを踏みにじってもなんとも思わない主人公。
罪悪感がないどころか、自分は正しくて優秀だと全く疑わない主人公。
現実にもこういう人間がいるし、そういう人間ほどうまく世の中を渡っていって成功していたりします。
そういう人間を描いた作品という意味ではよくできているとは思いました。