判断の難しい作品です。
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年10月7日 15時49分
役立ち度:0人
総合評価:
3.0
私はこの作品を観たとき、2種類の相反する感情が渦巻き混乱しました。
物語はある工場で働く益田が鈴木という人物と出会うことから始まります。
益田は学生の頃、いじめにあっていた友人を見放し、その友人が自殺したことに罪の意識を抱いていました。
一方鈴木は少年時代に恐ろしい事件を起こした「少年A」だったのです。
この「恐ろしい事件」は明らかに神戸連続児童殺傷事件を彷彿とさせる表現になっています。
元少年Aこと鈴木が、人生の経験値の少なさゆえに人との交流がうまくできない演技はとてもよかったです。
過去、罪を犯したらその後の人生に喜びを感じてはいけないのか。
それだけを問われると「償ったなら、その分頑張って生きて、更に償ってほしい」と思います。
しかし、自分の家族が被害にあっていたなら、生涯喜びを感じてほしくないと思うことでしょう。
では、自分の家族や友人が罪を犯したら、あるいは犯していたらどう思うだろうか。
この2つの感情がまじりあう作品でした。