これは見たことを後悔した映画の一つです。
つまらないから、ということではなく、あまりにも観客の心を揺さぶるから。
少し落ち込んでいるときにみたのですが、途中から涙がボロボロ溢れて止まりませんでした。
そのくらいジョーカー(アーサー)の人生は悲しすぎます。
自分が彼の立場に立たされていたらどうしていただろうか、彼の殺人を咎めることはできないのではないだろうか、など、悪を悪と思えない方向へ感情が持っていかれます。
そこまで派手なアクションシーンはなく、基本的にはアーサーの生活になぞらえ、静かに、しかし確実にジョーカーが産まれていく描かれ方をしています。
またこれを演じるホアキンの演技力も絶妙で、表情が読めないのです。
今の日本でも、ジョーカーほどではないものの、ネット上などで崇められてしまう犯人がたまに生まれています。
これって私たちの心の中にもジョーカーが潜んでいるからなのではないでしょうか、そしてそれを目覚めさせないために、私たちがどう生きるのか考えさせられる作品です。