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引用:IMDb.com

進撃の巨人 ATTACK ON TITANのライムスター宇多丸さんの解説レビュー

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2020年06月30日更新
こういうリアルタイムの映画的挑戦っていうか、映画界の挑戦っていうのは、やっぱりリアルタイムで追いかけなければ意味もないっていうのがありますので、是非劇場で、リアルタイムで観てください。(TBSラジオ「アフター6ジャンクション」)

RHYMESTER宇多丸さんがTBSラジオ「アフター6ジャンクション」(https://www.tbsradio.jp/a6j/) で、樋口真嗣監督の人気コミックの実写化映画版作品「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」のネタバレなし解説レビューを紹介されていましたので書き起こしします。 
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。 

宇多丸さん『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』解説レビューの概要

①実写化の難しい部分を原作に寄せる真っ向勝負。
②"ヒト型人喰いモノ"の最新版として、不気味さはバッチリ。
③"絶望的"なポイントがちゃんと抽出されている。
④現実味が持てない・・・"大○○"
⑤日本映画全体でよく出てくる、"似たようなシーンが続く"ことが煩わしい。
⑥作り手側の意図ありきで場面を並べた結果、話としておかしい。
⑦映画的挑戦をしている作品。

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。 TBSラジオ「アフター6ジャンクション」でラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂 く事で判明します。 

映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』宇多丸さんの評価とは

宇多丸:
今夜扱う映画は、先週ムービーがチャマシンを回し、最初は当たらず、この映画に脚本で参加されている映画評論家町山智浩さんが自腹で1万円を払ってようやく決まりました、こちらの映画

『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』

巨人対人類の壮絶な戦いを描いた、諫山創さんの人気コミック。その実写映画化。
人間を食べる巨人の禍々しさをそのままに、設定やキャラクターを映画用にアレンジして挑んだ挑戦作。
監督は、『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』や『平成ガメラ』シリーズで特撮技術監督を務めた樋口真嗣さん。出演は、三浦春馬、水原希子、長谷川博己、石原さとみらということでございます。もうね、言わずもがなというかね、(そんな)作品でございますよ。
なにしろ、原作の『進撃の巨人』も今や世界的なヒット作ですけど、この番組に関しては非常にゆかりが深いどころかね、"タマフルなくして進撃なし"、"タマフルなくて進撃なし"、これを原作者諫山さんの言質をとってる。こういうね、番組でございますけどね、ええ。リーリーリー!(リード)ってことでございます。
しかも、町山さんが脚本に参加されているということで、非常にゆかりが深いという作品になっております。
やはりこれだけの話題作でございますので、この映画観たよ、というリスナーの皆様、メールなどでいただいております、感想ね。
メールの量は、多いです!最近では『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『バケモノの子』に次ぐ量と。プリントアウトした紙の厚さが3センチぐらいになっております。
感想の内訳は、絶賛2割、酷評2割。そして半数以上がこれだ、結局ね、「良いところもある、悪いところもある」というものでございます。大抵の映画はそうじゃないかと思うんですけどね。
興味深いのは、賛否どちらの意見も、実はよく似ている。
ポジティブなものは、
「巨人がちゃんと気持ち悪くて怖い」
「残酷描写が容赦ない」

ネガティブなものは、
「人間ドラマのシーンが退屈」
「映画オリジナル要素にノれない」

この2つの要素のどちらによりインパクトを感じたかで、肯定派と否定派に分かれるといった印象。だから、同じものを見て同じ風に受け取ってるんだけど、そのどっちの方をクローズアップするかってことなんですかね。

はい、代表的なところをご紹介いたしましょう。

引用:IMDb.com

映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』を鑑賞した一般の方の感想

(メール紹介)ビーターパラカン:
ほぼ初メールです(宇多丸:ありがとうございます。)。
僕は正直、邦画のいわゆる大作映画には全くと言っていいほど感心したことがありません。けど進撃、こいつは初めて満足できた邦画大作でした。
邦画の大作というと、中途半端にハリウッド的スケールを意識して、中身や細部はスカスカというクソみたいなものが非常に多いですが、進撃は冒頭から世界観をきっちり作るという意志を感じました。とにかくなんといっても、壁に存在感がきっちりあるのが素晴らしい。そして、邦画大作はとにかく表現がぬるくなりがちですが、本作はとにかく、グロい・キモい・怖い!何も、グロい=偉いと言ってるわけではありません。それはただのバカです。でも、進撃という作品で1番大事なのは、やはり巨人への恐怖をいかに味わせるかということです。その点で本作は、漫画・アニメを超えてダントツNo.1です。ビジュアル的にも地獄絵図で素晴らしいですが、個人的には音がとにかく怖かった。超大型(巨人)が壁を破る・蹴る地響きような音、巨人の声。特に、途中で出てくるあるタイプの巨人の声。そして、巨人が人を喰らうときの嫌な音(宇多丸:確かにね。)この怖さはやはり劇場でないとなかなか味わえないのではないでしょうか。
「原作とストーリー違う」とかでブーブー騒いでる家畜どもは巨人に喰われちまえ!個人的にはとても満足できる映画化でした。

宇多丸:
というね。はい、こんな感想もございますし、一方では・・

映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』批判的な意見

(メール紹介)チヨノフ:
とてもつまらなかったです。原作と違うとかそういうのはどうでもよくて、ただただ邦画の1作品として世間に出していいレベルとは思えない甘えの詰まった映画でした。
いちいちダメな部分を挙げるのも投げやりになってしまう脳破壊映画ですね。
B級映画として見れば中々みたいな言い方すると・・いや、他のB級映画に失礼。グロ映画として見れば・・いや、『ウォーキングデッド』が茶の間で手軽に観られる時代ですよ。特撮は・・いや、特撮は映像表現の手段であって目的じゃないぞと。オマージュやホラー映画のクリシェをぶっ込むのも唐突で寒々しいですし、もともとの文脈を理解して使ってるとは思えない、愛のない乱暴な扱い方だった。
ひとつの作品として絶対に説明が必要な部分を省略してたりして、「原作漫画がこうだからいいよね」とでもいうような、首を傾げる場面が多々あり、監督が客観的に作品を捉えられていないのでは?という印象でした。

宇多丸:
というチヨノフさんの感想でございました。
はい、ということで、皆さんありがとうございます。

引用:IMDb.com

『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』宇多丸さんが鑑賞した解説

『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』私も行ってまいりました。計、結局ね、4回くらい観るハメになってしまいましたけど。
改めて言うまでもなくね、少なくとも日本での実写化っていうのは非常に難しいと思われる作品ですよね。
『進撃の巨人』という作品のね、原作漫画の映像化作品としては、先にアニメ版というのがあって、こちらがかなり原作漫画に忠実な作りになっていて、なおかつ、劇中で立体機動っていう、なんていうんですかね、ヒューッと、スパイダーマン的にといいますか、シューッと飛び上がって巨人をやっつける為の装置の描写がですね、正直、構造的に・・漫画だけ読んでると謎の構造だなみたいに思う時もあったんだけど、アニメならではのアクションとしての説得力がアニメ版では増してたりして、普通にこれ、アニメ版はすごい成功作だなというふうに思って観てたりしました。

実写化のハードルの高さ

ただし、実写化となると、そのハードルの高さはもちろん比じゃないわけですね、アニメ化のね。
特に、僕はやっぱ「この辺難しいんじゃないかな」と思ったのは、中世ヨーロッパ風のあの世界観であるとかってのは、難しいだろうなと。
で、一旦、実は最初ね、進撃の巨人実写映画化は、中島哲也監督で進んでたんですね、話ね。で、その時は舞台を完全に現代の日本に置き換えるみたいな方向でいってたんだけど・・っていうのも、まあアイデアとして無理もないなと。まず世界観これやるの難しいもん、みたいな。

引用:IMDb.com

原作寄りな世界観を日本での実写長編映画向けにアレンジ

でも、結局割と原作寄りな世界観を日本での実写長編映画向けにアレンジっていう、まあ言っちゃえば、進撃の巨人実写映画化っていうのに限りなく真っ向勝負というか、正面突破的な方向にきたっていうね。まあ堂々としたもんだ、というか。そのトライ自体は間違いなく価値がある、これはもう、どっちも・・良いも悪いも含めてトライは間違いなく価値があると思います。要するに、今後の日本のエンターテインメント作品業界のためにですね。

本作は、前編。ちゃんと言えよ。。

そして今回の前編・・これちなみに前編ですからね。話終わってないですからね。前編ってちゃんと言えよ、タイトルとかで。それすごくやっぱり思ったりしますけど。まあ非常に困難だけど意義あるトライというものに対して、いいですか?・・ものすごく頑張っている!のは疑いの余地がない。誰もが、頑張っている件に関しては疑いの余地がないと思いますね。頑張ってる!頑張ってるんだこの子は!!
しかしこの、"頑張ってる"っていう表現は非常に曲者でございまして、「"頑張ってる"からいい」、「"頑張ってる"から評価したい」という言い方もできますが・・それって反面、「とはいえ"頑張ってる"っていうレベルなんですよ」とか。「とはいえ"頑張ってる"・・んだけど、うまくはいってないんですよ」とか。そういう両面、良くも悪くも頑張っている両面っていうのがあるわけですよね。
先に、良い意味で"頑張ってる"っていうあたりを列挙というか、挙げていっちゃいますね。美点の部分です。要するに美点が全くない映画だとは全然思いません、僕も。

引用:IMDb.com

良い意味で"頑張ってる"っていうあたりを列挙

例えば、あるいはここがクリアされていれば、進撃実写化としてはひとまず合格なんじゃないかと思える巨人描写ですよ。
先ほどのメールでありましたけど、巨人がいかに怖いか、それが世界中にいる状態が絶望であるかというのが表現されていれば、他が多少ダメでも、まあ十分クリアってことだと思うんですよね。要は、アメリカ映画、フランク・ダラボン(監督)の『ミスト』の、終盤の「ああ、もうここ住めないわ、地球住めない」みたいな、あの感じが出てればもう大合格だと思うんですけど。
で、例えばね、先ほども・・超大型巨人、まあ『進撃の巨人』という作品のアイコン的存在ですよね。なんていうんですかね、オレンジ色というか。で、(超大型が)ガーンと出てくる、顔がブーって出てくる。これ、『巨神兵東京に現わる』とかの手法のブラッシュアップみたいだなと思ったんですけどね。操りでやってるんですけど、目が光るのはちょっといただけないなと。目が光ると機械っぽいというか、ちょっと作り物っぽくなりすぎるからアレだなと思ったけど、造形とか動きの・・なんていうかな、ちょっと人工物感も含めて、カッコいい見た目になってるし。

ヒト型巨人ですね、雑魚巨人たち

あとやっぱり今回、なにより、中型というか、ヒト型巨人ですね、雑魚巨人たち。それも、例えば肉(人間)を食べるっていうのは原作通りですけど、食べる時に、余った肉をワァーっと奪い合ったりする。要するにゾンビ的な感じになってたりとか。あるいは、女なのか分かんないけど、笑ってる顔のヒト型巨人の顔のアップになったときに「ウヒヒヒヒ」みたいな声が重なって、なんかちょっとお化けみたいな。ゾンビ感・お化け感みたいなのが、どっちも、正直僕が原作の漫画を読んでて巨人描写から受けた、"無機質・無感情"みたいな怖さとはちょっとニュアンスは違うよなと思って観てたけど。ただ、これはこれで、言っちゃえばもろに東宝の怪獣特撮映画クラシック。例えば「フランケンシュタイン対バラゴン』とか、その続編の『サンダ対ガイラ』とか。もろにその系譜状にある"ヒト型人喰いモノ"の最新版として、笑っちゃうスレスレの不気味さみたいなのはバッチリ出てると思うんですよね。笑っちゃうスレスレ。

引用:IMDb.com

原作にはないあるタイプの巨人

特に、例えば中盤にでてくるさっき言いかけた、原作にはないあるタイプの巨人が出てくるわけですよ。あるタイプの巨人。原作には出てこないあるタイプの巨人も含めて、ちょっと僕、松本人志さんの劇場映画1作目の『
大日本人』ってあったじゃないですか。あの感じも思い出したりなんかするぐらいで。まああっちは笑わせようとしてるわけだけど、笑っちゃうスレスレの気味悪さ・怖さみたいなのはバッチリ出てるなと思ったしね。
あるいは、『サンダ対ガイラ』的なところでいうと、怪獣、しかもヒト型怪獣・・ていうか超巨大なヒトに至近距離から見られてるっていう、ギョッていう感じとか。そういう描写とかもあって、文脈的にわかると。で、それに付随する人喰い描写であるとか、バイオレンス描写というか、地獄描写というかね。それも、例えば、教会に人々がすし詰めにワァーってなって、そこである惨劇が起こるんですけど、恐らく『炎628』という戦争映画というかナチ映画があって、そのオマージュと思しき教会すし詰めからの惨劇シーンはじめ、まあ確かに、これは誰もが認めるでしょう、今時のニュービッグバジェット日本映画というか、こういう映画としてはあり得ないほど残酷描写が容赦ないレベルまで踏み込んでいて、ほんとに頑張ってますよこれは。ほんとに頑張ってると思います。

修羅場・地獄描写

あと、修羅場・地獄描写のとこで、原作からの要素の抽出も、すごく僕的確だなと思いました。
例えば、喰われるときに心が折れて喰われていく。「ごめんなさい!ごめんなさい!」とかさ。あとは、銃を用意して「そんなの役に立つわけないだろ!」・・たかみなに言われてですね、そしたら自殺、とか。"ここが絶望的な要素だ"みたいなところが、ちゃんと(抽出されている。)抽出ポイントも的確だと思いましたし。こういうのを含めて、特に、日本特撮怪獣映画の歴史とか、そういう文脈を共有している人--ぶっちゃけ主に40代から50代の男性観客--は、どうしたって応援したい気持ちが前に出てくるって人が結構多いんじゃないかなと思います。僕もやっぱそういう気持ちが強かったです、観ていて。

引用:IMDb.com

原作の諫山創さんの意向

あとですね、これ原作の諫山創さんの意向でもあったりするらしい、あるいは町山さんのアイデアだったりするらしいですけど、キャラ設定の改変。特に、主人公エレン--三浦春馬さん演じる--への心情的追い込みっていうのを原作漫画よりグッときつくしてるんですよね、今回。どんどん追い込んでいく。これも僕は、要するに、短時間でエモーションを爆発させなきゃいけない、ピークに持っていかなきゃいけない劇場用映画向けのアレンジとして非常に正しいアレンジだなという風に思いました。このあたりやっぱり、脚本参加した町山さんの功績なのかもしれないなと思いますね。要は、ダンテの『神曲』をやろうみたいなね。地獄めぐりというかね。

パニック映画みたいなものだと思ってたら、実は・・

どんどん主人公が、これでもかっていうぐらい酷い目に遭って、やっとドン底でドーン!・・カタルシス。この作り・狙いは正しいな、と思いますね。原作よりむしろそこはブラッシュアップされてるなって思うところだったりしますし。で、それを徹底されていればこそ『進撃の巨人』という作品、基の漫画の肝のひとつでもある、途中からジャンルが実は変わる、というとこですね、ポイントね。要は、怪獣映画、もしくは怪獣ホラー(モンスターパニック)映画みたいなものだと思ってたら、実は・・もういいかこれ、な。原作もね、知られてるから、随分。ネタバレじゃないだろ。実はウルトラマンだった!っていうね、あたりもより活きるわけですよね。主人公を落として落としてっていうの。

引用:IMDb.com

終盤のいわゆるスーツアクター

終盤、いわゆるスーツアクターというかね、スーツを着てのウルトラマン的な者の格闘シーンなんかまさに、非常によく、実写ならではの良さとかも出てたと思いますし。
あと、特に、途中第2幕というのかですね・・廃墟の街みたいなのがワァーっと出てくるわけですね。主人公たちが移動してる途中に。それ軍艦島でロケしてるわけですよ。で、軍艦島のロケしてるシーンはやっぱり、恐らく予算に対して相当不釣り合いなスケール感がしっかり出てると思います。あのね、そういうところで、要するに"世界観として"ショボく見えるところは意外とないんですよ。それ、結構偉いなと思ってて。「なんか狭くね?この世界」とかそういう感じは全然しないんですよね。すごく偉いと思います。日本映画では珍しいと思うし。それこそ『隠し砦の三悪人』の、なんかすごい狭いところですったもんだしてるように見えるみたいな頃から大進歩してると思いますし。軍艦島力も当然あるにしても。
あと、例えばオープニング、序盤近く。壁--先ほど、壁の存在感がしっかり出て素晴らしいとありましたけど--をワンショットの下のところからグーっと見上げるパンで、すごく自然な見せ方で、どうやってやってんのかCG混ぜてんのか分かんないですけど、この見せ方とか、きっちり本当にある壁に見えるし。「こういうとこショボくないな、偉いな」みたいな感じで思ったりしてました。

「頑張ってるのは重々分かるんですが・・」な部分

とまあ、こんな感じのところまでは良い意味で"頑張ってる"。頑張ってるからいいじゃないか。頑張ってるからいいじゃないか!
ただですね、実際のところ、この作品ですね、さっき言ったもう一方の面ですよ。"頑張ってる"んだけど、それ以外の・・「頑張ってるのは重々分かるんですが・・」な部分がですね、非常にノイズが大きくてですね、そこの。ここまで述べてきた美点としての"頑張ってる"を、あらかた帳消しにしてしまう勢いというのも、残念ながら事実でございます。

引用:IMDb.com

平場のダサさ

なにしろやっぱり、これはもう観た人全員がそうなんじゃないのかな。平場っていうか、人物・人間同士の普通の会話シーンとかが、とにかく・・これも難しいんですけど、ダサいです。フィクションラインを下げるための敢えての大芝居なのかもしれないけど、それにしたっていくらなんでも現実味がなさすぎて、感情移入が困難なレベルの台詞回しとか。あと、もろもろの、なんというか、間の悪さっていうんですかね。例えば、石原さとみさんがハンジっていうキャラクターを--原作も出てくる、ゴーグル掛けた女の人のキャラ--演じてるんですけど、まあコミカルな味付け・・コメディリリーフ的な扱いなのはまあそれが悪いとは言わないけど、なんかこの、笑わせようとしてる画とか、色んな間が悪くてですね。なんか、コスプレしたオタクが笑えないコントやってるようにしか見えない。いちいち、何か言うときに「それ要る?」みたいなボケ要素みたいなのを入れてきたりして。で、全くそれが笑えないどころか「うわ、さむ・・スベってる」みたいな感じになっちゃってる。

今回の映画はその要素いらなかった

笑い要素でいうと、例えば、桜庭ななみさん演じるサシャっていう大食らいの女のキャラクター。これ要するに、原作漫画の・・これは美点のところなんだけど、すごく合間にギャグ要素を実はちょいちょい挟んでくる漫画であるんだけど、それを馬鹿正直に取り入れた結果だとおもうんですよね。今回の映画はその要素いらなかったと思うんだけどね。なんか軽くなっちゃいますよ。実際の人間(がやると)。しかも、間が悪くて・・え、なんでそこでこの要素入れちゃった?
(例えば)なんか、マッシュポテトをいじってる感じとか『未知との遭遇』とか色々思ったりはするけどさ、なんか・・間が悪い。で、その辺りで喧嘩が始まったりとかさ、喧嘩が・・まだこの話続くの?みたいな。鈍重だったりするわけであったりとかですね、全然いただけないと。

引用:IMDb.com

特に問題なのは、オープニングというか序盤

特に問題なのは、オープニングというか序盤だと思いますね。巨人が襲来して、ドーンと派手な見せ場--さっきから褒めてる場面--がくる前に、要はこの世界の日常っていうのを見せるわけです。これは正しいですよね。で、オープンセットもスケール感ちゃんとあるし、あのなんていうか、無国籍はひとまず置いておきましょう。すごくそこも頑張ってると思いますし。あるいは、社会の仕組みとかに関してもそれなりに考えられてるっぽいと思いますよね。例えば、菜種油--これで燃料とかにも使ってるんですかね--でやってるんだなとか分かるようにはなってる。これはいいんですけど、例えばそこで、子役が出てきて、アルミンの役になんかよくわかんない、プーとか鳴るものを作って「お兄ちゃん、壊れちゃった」で、抜いたらプーって止まるんですよ。お前これこれぐらいできんだろ!っていう。そもそも、進みすぎるテクノロジーみたいなものに対して特定なんとか法みたいなので、テクノロジーの進歩が抑制されてるっていうか抑圧されてる社会っていうことらしいんだけど、それはいいよ。それ自体はいいんだけど、あのプーって鳴るやつ、そんなテクノロジーいるの?あれ。よくわかんないけど。しかも何?それは何に使う何?

"ザ・子役"の嘘っぽい・・

とにかくそういうのも納得できなければ、そこでの子役の「早く直してね、お兄ちゃん」なんか言って手を振ってる子役の物凄く"ザ・子役"の嘘っぽい・・このくだりで「ああ、出ちゃった・・」って思うし。
で、やっぱり、三浦春馬さんは格好良いですよ。格好良いんだけど、三浦春馬演じるエレンとかたちの会話がその後も続くんだけど、やっぱり大芝居と間の悪さが目立つ。例えば、水原希子さん演じるミカサというね、ヒロインがいますよ。(ミカサが)壁の近くにいたときにクシュンとくしゃみするわけですよ。で、エレンがマフラーを渡す。そのマフラーを--クライマックスシーンで伏線的に使われてますけど、ただその伏線が出てくるたびに毎回回想フラッシュバックみたいなのをいちいち入れるのとか・・まあいいけど--渡すってだけの場面なのに、三浦春馬さん演じるエレンが、後ろで物凄い・・なんていうの?間をとるんですよ。なんか知らないけど。変な顔して。で、渡すんだけど。何?変質者?普通に渡せよ、そんなんさ、さっと。なんでここで間をとるの?キモいんだけど!」みたいなのがあったりして。

引用:IMDb.com

すごいイライラする

で、あとは会話シーンとかで・・僕さ、ひとつのシーンで2回似たような静かな音楽、わかります?ポロロローンみたいな。で、後ろで会話してて、音楽が止むんですよ。で、しばらくしたら同じシーンでまた会話が続いてて、またポロロローンみたいな似たような曲。やめれ!って、1シーン1曲にしてくれ!みたいな。すごいイライラするっていうね。これ日本映画全体によく出てくるやつですけど。
そんな感じで、なんかこう「ノれねぇなあ・・」っていうか、「本当にいる人に見えねえなあ・・」要は、「確かに現実にこういう人たちがこの世界の中で生きているんだ」という実感を、観客に、このオープニングの諸々--大芝居だったり間の悪さとか--が伝え損なっていると思うんですよ。

そのまま巨人襲来っていうすごく大事なシーンに突入してしまう

で、そのまま巨人襲来っていうすごく大事なシーンに突入してしまうので、いくらそこでバイオレンス描写を頑張られても、なんかこう・・要は、まだ感情移入も何もできてないというか、「なんだかなぁ」と思ってるままで、この世界の実在感みたいなのも「なんかなぁ」って飲み込めないままできちゃってるから、全然切実なものと感じないというか。
残酷描写の頑張ってる感とか、容赦なさ感っていうのは評価できるけど、それが見てて"物語世界としての怖さ"になんかリンクしてない感じがするんですよね。
例えば、『炎628』オマージュの教会の中に人々が集まってワァーっていて、その中で惨劇が起こる。そのシーン自体は頑張ってますよ。血ドバの見せ方とか、そりゃ確かに頑張ってるけど・・そこでさ、ワァーって上から巨人が(きて)喰ってると、「恐ろしい!」ってなるじゃん。ここはいい。

違和感たっぷりのふらふらと虚脱した演技

切り返しで、そしたらエレンが背中向けて、ふらふらと、無人の破壊された街を去っていくんですよ。その場面の終わりのショットなんだけど。あのさ、後ろにまだ巨人結構いるんでしょ?この村はまだ全然安全じゃないよね。だから、そのアレ(惨劇)をワァーって見て、助けを求める人がまだ中にもいたりするのに、エレンは、怖くて醜くもというか、情けなくも全力疾走で無様に逃げていくっていうぐらいであるべきなのに。ふらふらと虚脱した演技みたいな、記号的な去り方をしていったりしてですね、なんかそういうところで、「え、だって後ろにいるんでしょ?危険度がわかんないんだけど」みたいに見えてくるわけですよ。

緩い演出が目立つ

このように、いちいち場面本来の緊迫感とか危機感を削ぐような、なんていうんですかね、緩い(といっていいんですかね)演出とかが目立つなという風に思いました。
例えば、まあこれ誰もが指摘する部分でしょうけど、「巨人が寄ってきちゃうからこの辺では音とか声とか出さないでね」って言われてんのに、主人公のエレンが・・さっき言った感情の流れ上彼が落ち込んで叫びたくなってるっていうのは分かりますよ。だけど、個人的感情に任せて「ワァー!!」かなんか言ってるわけ。「えっ?マジ?」って、そういう風に思っちゃうんですよね。そういうところで、これどの程度緊迫した場面・・そもそもこいつらの自由行動はなんだ?と思うわけです。

自由行動はなんだ?

どれぐらい自由行動かっていうと、その後エレンさんに、いわゆる"戦争未亡人"的な役柄のヒアナっていうキャラ。水崎綾女さん--非常に色っぽい女優さんですよ--が迫るわけですね。おっぱい触らせるわけですよ。「娘の父親になって」なんて言って。で、このシーンね、確かに本来の意図としては、恐らくだけど、いつ死ぬか分からないような身同士だからこそっていうのの哀感であるとか。あるいは、死の反対物としての生、イコール性。セックス的なものであるとか。
そういうのを際立たせるシーンの意図は分かります。

『スターリングラード』のラブシーンを思い浮かべる

実際僕、『スターリングラード』のラブシーンを思い浮かべたりはしましたよ、「(スターリングラード)みたいだな」と。「(スターリングラード)みたいなことを狙ってるのかな?」と思いましたけど、実際の絵面はどうなっているかっていうと、そのすぐ隣で武田梨奈演じるリル(というキャラの)カップルがですね、まあその、いたし始めてるようにしか見えないわけですよ。実際どういう意図でとってるか知らないけど。要するに「横でセックスしてる横で私たちもやりましょう」みたいな、物凄い・・乱行!?みたいな。なんか、単に「いい気なもんだな」っていうエロシーンにしか見えなくなっちゃってて。見てるうちに、画面上そういう風にしか見えないから、「え?今この場面って、俺何か見落としてんのか知らないけど、今って"巨人は絶対にこないです"みたいなそういう時間なんだっけ?だから、呑気にこいつら各自いろんなとこで物陰で自由行動とかしてる状態なんだっけ?」みたいな。

「俺が何か見落とした?」みたいな

「俺が何か見落とした?」みたいな、気になりだしちゃうわけですよ。そしたら案の定、そこにまたきちゃうわけですよ、巨人が。さっき言った『サンダ対ガイラ』のオマージュ的な怪獣に至近距離から見られちゃってるみたいなショックシーンがきて・・これ、絵面的には確かにショックシーン。ショッキングで「いいねぇ。『サンダ対ガイラ』みたいでいい。」と思ったけど・・さっきの、いきなりお色気シーンにしか見えない場面も、そこに巨人がワァーってくるのも、スラッシャームービーだとすれば--セックスしたら死ぬ法則か!みたいな--いいけどさ。たださ、いつの間にか巨人たちがグワァーってきて包囲されててっていうんだけどさ・・「見張りとかつけないの?」っていう。この人たちは。

「見張りとかつけないの?馬鹿なの?」

要は、「ここは巨人こないはずだから大丈夫」っていうんじゃ限りは、「見張りとかつけないの?馬鹿なの?」みたいな感じになっちゃって、当然の疑問が出てきちゃう。で、そんなこんなあって、あるいは武田梨奈のカップル--先程(言った)横にいた、いたし始めちゃった--に思い入れを十分にさせる描写が別にないから、要するにただのバカップル的にしか描かれてないから、その後彼女が恋人のために非常に・・本来なら悲しい、盛り上がる場面なんでしょうけど、彼女がとる行動が、「うん、ただのひどい身勝手な女だよね」と。なおかつ、武田梨奈さんが蹴られたい女No.1じゃないですか。武田梨奈さんがこんな甘えた役。なんか、戦場でさ、「こわ〜い」かなんか言ってるけど、アレダメだよね。彼女は彼女で、戦士として覚悟決めてきてるけど、でも恋人とくっつきたい。そういう切実さがなくて「こわ〜い」とか言ってるから、「このバカップル!」みたいになってるし、「武田梨奈にこんな役やらすなんて、アホか!」みたいな。で、武田梨奈はその恋人と死に別れてしまってから、そこからアクションが始まるんですよ、いきなり。なんか知らないけど。武田梨奈ならではっぽいアクションが始まるんだけど、「今更こんなもん見せられても・・」みたいな。なんかね、って感じになっちゃう。

作り手の意図ありきで場面を並べたりした結果

こういう風に、一時が万事、要は、「こういうシーン・こういう見せ場がやりたい」とか「こういうオマージュがやりたい」とか、あるいは「キャラクターのこういう面を描きたい」っていう・・もう言っちゃいますけど、作り手の意図ありきで場面を並べたりした結果、「話としてはおかしいですよ」っていうことがすごく目立つなぁ。で、それがノイズになって、「全然入れねえなぁ」みたいな風に僕は感じましたね。

原作だと、リヴァイ、"クールで最強でワケあり"っていうキャラクター。

特に、原作だと、リヴァイっていうキャラクターにあたる、"クールで最強でワケあり"っていうキャラクター。シキシマっていう役名になっております、今回は長谷川博己さんが演じております。で、今回の映画版ではですね、さっき言ったように主人公エレンの心情的追い込みっていうのが強められてる。そこはすごく良いところだし、そこにこのシキシマというキャラクターが、非常に大きな役割を果たしてる。つまり、ストーリーの推進力であるとか、転換っていうのにすごく重要な役割を果たしている、非常に重要なキャラ。特に、水原希子さん演じるミカサ。ちなみに、水原希子さん演じるミカサは僕今回の映画版(実写版)では1番間違いなく、普通に良かったと思います。やっぱりちょっとフィクショナルな世界観合いますよね。水原希子のちょっと現実離れして感じ、非常にハマってるし。ちゃんと僕、なんならミカサに見えると思った。原作漫画の。そこほんと素晴らしいと思いましたけど。

シキシマというキャラクターのミカサとの関係

ただ、シキシマというキャラクターのミカサとの関係において、言っちゃえば、機動戦士ガンダムにおけるシャアとララアみたいな関係ですよね。で、それをアムロが見て「うわ、なんだよ、ここできてんのかよ、チクショウ」みたいな(笑)、そんな感じだと思ってくださいよ。で、それは別に全然いいんですよ。分かるし。このキャラクターの置き場所・作り手側の意図は分かるんだけど、要は、シキシマというキャラクターの・・言っちゃえば、悪魔的な存在というか。誘惑者的な存在っていうのを表現するのに、それを際立たせようとするあまり、この映画では演出で林檎をかじったり、ミカサ(水原希子さん)に後ろから林檎をかじらせたりってういですね、ちょっと・・なんていうんですかね、「メタファーっていうの?それ」っていう。ベタっていうか、正直恥ずかしいベタな道具立てをしてくれるわけですね。

誘惑者が林檎食べさせるって

「誘惑者が林檎食べさせるって、ちょっとそれはどうでしょう」みたいな。僕、"恥ずかしい林檎使い"って意味では辻仁成監督の2001年の『フィラメント』っていう映画を思い出したくらいです。そのぐらいきてんなって思いましたけどね。「これきてんぞ」と。で、その場面で長谷川博己さんのセリフ回しが、さっき言った、大芝居は全体がそうなんだけど、さらに大芝居度が1段また上がってるっていうかですね・・まあこれシャアをやっぱ意識してるんですかね。そういうテンションの、敢えての芝居の感じ含めてですね、林檎とか含めて、長谷川博己さんが、本来なら巨人にいつ囲まれてもおかしくない状態だったらしいけど、「お前、ちょっとこっちこい」って言って、いきなり嫌がらせ的な話をしだす場面。ほんと、ギリコントになっちゃってるっていうあたりだという風に私思いましたね。

サンナギっていう力持ちキャラクター

他にも、例えば、サンナギっていう力持ちキャラクターがいるんですけど、それが巨人を一本背負いする場面がある。これ自体無茶だなって思うけど、まあ置いとこう。巨人一本背負いする人もいいけど、その前に、このサンナギっていう力持ちキャラが「ワァー!」みたいなこと言って両手を動かす・・「カッコ悪!」なんなのこれ。とにかく全体に人の使い方とか動かし方とか喋らせ方が、一言で言えばやっぱカッコ悪いんですよ。だからすげーきついんですよね。
あとは、ここはそんなにあげつらえたくもない部分であるけど、やっぱり立体機動。グワァーって浮く仕掛けが、スパイダーマンっていうよりは、割と自由自在に、上下左右に空を飛んでるように見えちゃってるな・・故に、立体機動という仕掛けとかになんか納得しづらい感じになっちゃってるな、というのは否めないなという風に思いました。

『スターウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』のAT-ATの倒すところのオマージュ

そんなことより、途中サンナギっていうキャラクターが、斧を持って巨人の踵みたいなのをワァーっと切って、倒れたところを倒すとか、あるいは足をぐるぐる巻きに紐みたいなのでして倒したところを、弱点のうなじを(攻撃して)倒す。このぐるぐる巻きにして倒して倒すのは、きっと『スターウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』のAT-ATの倒すところのオマージュなのかもしれませんけど。
そう考えると、「別に立体機動じゃなくても殺し方あるってことじゃん」みたいな。例えば、火器はね、いくら蘇っちゃうっていっても、一旦は足が、肉は消えるんだから、足に向けて大砲撃って、倒したところをやるとかさ、「全然できんじゃね?やり方あんじゃね?」みたいな。なんなら、「これイウォークだったら余裕で巨人皆殺しじゃね?」みたいな感じがしましたけどね。

細かいところの疑問

あと、これ細かいところの疑問。前時代の遺物がそこに残ってるのは分かる。前時代っていうのは、つまり現実の我々の現実社会の遺物。例えば不発弾が残ってる。未来少年コナン風のね。斜めに刺さった不発弾がありますよ。「あれが後半で活きてくるのかな?きっとな。」と思うけど、それはいいんだけどさ。壁の途中にヘリコプターの残骸があるじゃん。それが過去の、前時代の遺物だっていうのはいいけど、なんで壁の途中にあるの?壁って下から積んで作るんでしょ?なんで遺物が上に乗っかってんの?なんで?・・なんか説明あんの?これ。・・なーんてことを思ったりしましたけどね。

後編に向けた伏線、解かされてない謎・・

とにかく、後編に向けた伏線、解かされてない謎・・例えば謎の男みたいなのが出てきたりするし、その辺もどうなっていくかわかんない。ひょっとしたら後編で観たら「ああ、やっぱり前編良かった」と上方修正する可能性もゼロじゃないけど、僕は正直、前編観て、そういう細かい辻褄が後から合ったことで解消されるような部分が問題なのではないっていう気がしました。やっぱり樋口真嗣さんの監督としての、特に人物に対する演出力というか、そこの問題。
やっぱり『のぼうの城』型というか、なんなら円谷英二と本多猪四郎のコンビの在り方というか。やっぱりドラマ部分は誰かに任すとかも全然ありなんじゃないかな。『のぼうの城』も全然そこはそんなにきつくなかったわけだからさ、みたいな。思ったりしましたけどね。

2度目以降の鑑賞のときに

ただ、実際僕、4回も観てるわけです。2度目以降の鑑賞のときに実際そうだったんだけど、僕が今あげつらったようなマイナスポイントに対して、覚悟ができた状態で2回目以降観たら、全然、良い意味で"頑張ってる"方がやっぱり際立ってくるんですよ。「あ、でもここはやっぱり工夫してるんだな」とか「ここはきっとこういう意図なんだろうけど、上手くいってないんだろうな」とか(笑)。なんかね、すごく好意的に見える感じになって、実際そのポテンシャルはある作品だという風に思います。
あと、良いなと思うのは、ハリウッドアクション大作っていうかさ、ハリウッドSF大作みたいなものの真似にはなってないよね。そこはオリジナルの世界にいこうとしてるし、上手くいってないにしても、そこにトライしようとする意志っていうのが、ちゃんと作品に昇華されてるってとこでは、例えば「『隠し砦の三悪人』のリメイクのスターウォーズごっこやれればいいんでしょ」ってところの志からは、だいぶ進んでるじゃんって感じで、僕そこはすごく好意的に見ざるをえないなと思った部分ではありました。こんだけ散々言っておいてなんなんだって感じですけど。

映画界の挑戦

まあ皆さんね、こういうリアルタイムの映画的挑戦っていうか、映画界の挑戦っていうのは、やっぱりリアルタイムで追いかけなければ意味もないっていうのがありますので、是非劇場で、リアルタイムで観てください。ちなみに、「不可能な巨人に挑戦するんだ」みたいなこと町山さん仰ってましたけど、なんか分かりますよ。だって俺・・日本語でラップするってこと自体がそうだもん。不可能な巨人に僕挑戦し続けてますよ。で痛い目に遭いまくってますよ、そんなもん。だから、全然分かりますから。ただそれが上手く・・頑張ってることとかトライするっていう志の高さと、上手くいくかどうかは別だっていうことも痛いほど分かってきてる。それで二十何年やってますから、全然分かりますよ。なので、後編に・・後編も是非扱ってみたいと。9月19日公開でございますので。あ、丁度その頃に『Zアイランド』のソフトも出るということでね。はい。色々また重なるということになってますので、是非是非、ほんとにこれリアルタイムで観なきゃ意味がないと思いますので、是非是非リアルタイムの劇場でウォッチしてください!

<書き起こし終わり>

○○に入る言葉のこたえ

④現実味が持てない・・・"大芝居"

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