自分の赤ちゃんが狙われている!母親の逃亡劇
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年8月21日 15時29分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
ニューヨークにやって来た、ローズマリーと夫のガイ。周囲の住人は全員親切で、ローズマリーに早く子どもが授かるように祈ってくれるほど。願いが叶い、ローズマリーの身には赤ちゃんが宿ります。しかしこの赤ちゃんをどうやら近隣の住人が狙っている様子。子どもを守ろうとするローズマリーは近所の目から離れようとします。
「エクソシスト」や「オーメン」などでも題材となる悪魔の子。今回はその「悪魔の子をはらんだ」女性が主人公です。赤ちゃんを狙われるというのは母親にとって最大の恐怖といえるでしょう。しかもそれが近所の住人ほとんどなのですから、ローズマリーがパニックになるのも無理ありません。
どことなくアパートの住人が怪しかったり、悪魔モチーフの道具が暗示されますが、この「違和感」はホラー要素の大切な部分と言えます。売れない役者の夫が突如、大役を引き当てたりするのも不吉な印象を与えます。
ローズマリーは追い詰められ、最後は望むと望まないにも関わらず出産します。その子を見に行ったときに暗示される「瞳」が大変、印象的です。爬虫類のような、猫のような金色の目を持つ子は、明らかに人間ではありません。
ですがそれでも、ローズマリーは自分の子を胸に抱くのです。このあたりに母親の哀愁を感じます。たとえ呪われた悪魔の子であっても、自分の子である限りは愛おしい。こういう性質があるからこそ、悪魔は人間を放さないのかもしれません。