従来の子供向けの物語では、プリンセスが王子様に助けられ、結婚によって幸せになる、というものが多かったのですが、最近のディズニー映画ではこのようなステレオタイプの物語を避ける傾向がみられます。
特に本作では、「王子様」との出会いを夢見ることをきっぱりと否定しているようにも見えました。物事はそう簡単には進まず、幸福も型通りにはいかないのだということを、教えたいのかもしれないと思いました。
また、自分らしさを大事にしてほしいというメッセージもあります。
そういう教育的な見地からこの物語を見ることもできますが、なにより子供たちや子供と一緒にこの映画を観る大人を魅了するのが音楽です。
ミュージカルナンバーとして完成度の高い楽曲、歌手を取り揃えて作られていることは素晴らしく、これから映画やミュージカルの舞台を見る機会をもつだろう子供たちに、本物を提示してくれたと感じました。
ストーリーも大人が楽しめる内容ではありましたが、子供によってはやや複雑と感じるかもしれません。でも、映像が美しく、楽しい部分も多いので、何度も見返していくうちに、この映画のメッセージを受け取ってもらえたらいいなと思います。