映画のレビューサイトの点数を参考にする方は多いと思うが、点数が低いからと言って面白くない映画とは限らないのである。
この映画に点数をつけることは出来ない。つけてはいけない気がするのである。本当なら星は0でも良かったと思っている。
圧倒的な醜悪と、映像美(ある絵画のようなシーン)!!流石に人の神経を逆なでするのが上手なラ―ス・フォン・トリア―監督作品なのである。
どうしても私の薄っぺらな道徳心が邪魔をして、どう評価していいのかわからないのである。
身勝手で残酷で潔癖なこの主人公が不快で不快でたまらないのに、なぜかひきこまれるのが恐ろしいのである。
人の持つ最も醜く残酷な一面をもってしても、この男の様にはなれない筈である。
アートの様に殺人にのめり込む男の12年間を5つのエピソードで明かされるのだが、不謹慎にも笑いそうなところがあったり、思わず美しいと思ってしまうシーンや音楽のカッコよさに、どこかで楽しんでみている自分にハッとさせられて、悔しい思いをする映画なのである。