海辺の彼女たちの町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『海辺の彼女たち』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『海辺の彼女たち』解説レビューの概要
①『ミナリ』はアメリカに来た韓国系移民の物語
②今回紹介する『海辺の彼女たち』は日本に来たベトナム系移民の物語
③名目上は「技能実習生」だが、実際には○○と言っても過言ではないのでは。
④『ミナリ』同様、セリフの半分以上がベトナム語。でも、紛れもなく日本映画だ。
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
『ミナリ』と似た日本の映画、『海辺の彼女たち』
(町山智浩)
『ミナリ』がね。『ミナリ』っていう映画がね、アメリカに来た韓国系移民の物語で、セリフの半分以上が韓国語だったんですけども、アメリカ映画として認められたんですけどね。日本でもそういう映画ができてですね、先週から公開かな?
で、『海辺の彼女たち』っていう映画があったんですよ。
(山里亮太)
はい。
(町山智浩)
藤元明緒さんという人が監督なんですけど、これがね、ベトナムから来た技能実習生の人達の話で。
(赤江珠緒)
はー!はい!
セリフの半分以上がベトナム語
(町山智浩)
セリフの半分以上がベトナム語なんですね。で、まぁ技能実習生っていうのは今問題になってる、その、「技能実習生」という名目で来る最低賃金労働者の人達で。技能とか言いながら本当に単純労働しかさせてもらえないし、でしかも、ブローカーに100万円とか払ってるんですよね。
(赤江珠緒)
そうそう、そういうニュースも聞きますね、うん。
(町山智浩)
そう。で、こっちで働いて最低賃金で働いている間その住み込みの実費とかも全部そこから抜かれて、最初の100万円というのは借金になっているんですよね。
(赤江珠緒)
あー・・。
奴隷労働の実態
(町山智浩)
そう。それで、もう殆ど何ももらえないで、仕送りもしなきゃなんなくて・・。っていう、もうボロボロのですね、まぁ奴隷労働の実態がいろいろ暴かれて問題になってますけどね。
その人達を描いている映画が『海辺の彼女たち』という映画なんですけど。これベトナム人の人達のベトナム語の話だけど、これは紛れもなく日本映画なんですよね。
(赤江珠緒)
そうね、うん。
(町山智浩)
現在の日本の現実を描いているんでね。だからそういう幅が日本の映画でも広がっていってるし、やっぱりね、移民の人達じゃないって事になってるんだけど。移民労働者ではないという事になっていますけど、日本は。(笑)一応、技能実習生という・・。
でも、これだけ少子化が進むと、もう最低賃金の労働の部分ていうのものは外国の人に頼らざるをえないっていう現実があってね。だからアメリカていうのは移民国家だからだって言ってらんない事が起こってきてるんで。まぁ是非。その『海辺の彼女たち』は今ね、ポレポレ東中野で公開中なんでまぁ見て頂きたいと思うんですが。
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
③名目上は「技能実習生」だが、実際には移民と言っても過言ではないのでは。