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顔を捨てた男の町山智浩さんの解説レビュー

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2025年07月21日更新
これすごい映画でね。僕飛行機で見たんですけどびっくりしましたけどね。うおっ!と思ってね。(TBSラジオ「こねくと」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『こねくと』(https://www.tbsradio.jp/cnt/)で、『顔を捨てた男』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『顔を捨てた男』解説レビューの概要

①原題は『A Different Man』
②映画『エレファント・マン』に寄せた作品
③顔が膨れ上がってしまう病気の主人公が整形で美しい顔を手に入れる
④顔を変える前の本名、エドワードが主役の芝居のオーディションを受け見事合格
⑤主人公の前に、同じ病気の人物が現れる
⑥しかし彼は顔を変えていないのに、○○○○人格だった

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

町山さん『顔を捨てた男』評価とは

(町山智浩)まずちょっと音楽をかけてもらいます。

(町山智浩)はい。この音楽は僕らの世代にとってはものすごく印象深い映画がありまして、1980年に公開された『エレファント・マン』という映画の音楽なんですけど、『エレファント・マン』ってご存知ですか?

映画「」のポスター

(石山蓮華)私知ってるんですけど、見ていない映画の1本でございます。

(でか美ちゃん)私も同じくでございます。

(町山智浩)あ、そうなんですか。これは象みたいな、すごい顔のゆがんだまぁなていうかかわいそうな醜い顔になってしまった実在の人物がいましてですね。ジョゼフ・メリックという人がいまして19世紀の終わりのイギリスの人なんですけれども。その人の非常にかわいそうな人生を描いた映画が『エレファント・マン』なんですね。で、『エレファント・マン』というのはまぁ見世物にされてたんですよ、象男として。でも実は本当に普通の優しい人でしたという話が『エレファント・マン』という映画なんですが。今回、紹介する映画はですね。日本語タイトルがなぜか『顔を捨てた男』というタイトルになってるんですが、これね、原題はね、『A Different Man』っていうんですよ。

(でか美ちゃん)じゃぁかなりエレファント・マンに寄せたというか。

(町山智浩)そう。だから『A Different Man』っていうのは”違う男”っていう意味なんですけど、『エレファント・マン』のパロディなんですこの映画。でもなぜかね、ネタバレになると思ったのかなんかわかんないですけど日本の映画会社は『顔を捨てた男』という、非常にジェネリックなタイトルにしてるんですが。

映画『エレファント・マン』に寄せた作品

(町山智浩)これね、セバスチャン・スタンという俳優さんがいまして、この人は『アプレンティス』でトランプの若い頃をやってた人ですね。

映画「」のポスター

非常にイケメンの俳優さんなんですけど、その人が特殊メイクで『エレファント・マン』みたいな顔の人を演じる映画です。で、これはまぁ病気なんですね。『エレファント・マン』はですね、プロテウス症候群という病気で背骨まで全部変形しちゃう病気だったんですけども、この人の場合にはその神経繊維が腫瘍になるというですね。まぁがんみたいな悪性じゃないんですけれども、で、顔中がどんどん膨れ上がっていくという病気の人が主人公で。で、まぁそういう顔なので、非常に引っ込み思案で、あまり友達もいなくて、彼女もいないと。で、孤独に生活してるんですね。ところが、手術をしてイケメンになっちゃうんですよ。

(石山蓮華)手術で顔を変えるって事ですか。

顔が膨れ上がってしまう病気の主人公が整形で美しい顔を手に入れる

(町山智浩)そうなんです。それでセバスチャン・スタンになっちゃうっていう話なんですよ。セバスチャン・スタン本人の素顔になるだけなんですけど。でも、非常にニューヨークで寂しく生きてはいるんですが、ところが顔はきれいになってですね、セバスチャン・スタンの顔になって、でモテるようになって、不動産でですねエージェントをやるんですけど。だからトランプと同じでニューヨークで不動産屋をやるんですね。

(石山蓮華)不動産のエージェント?

(町山智浩)そう。セバスチャン・スタン、2本続けて不動産屋の話かよっていうね。(笑)まぁ非常にハンサムなんでそれを利用して売るんですね。で、まぁ非常に今までの孤独な人生に比べると、お金もあるしね。みんなにモテモテの生活をしてるんですけれども、道端でですね、あるオーディションをやってる事を見るんですね。小劇団がオーディションをやってるんですよ。その小劇団がやってる芝居はですね、『エドワード』という名前タイトルで、この『エドワード』というのは顔を変える前のセバスチャン・スタンの本名なんですね。役の中の。で、それは実は彼のアパートに、隣人だった女性が、エドワードのことを物語にした芝居だったんですよ。で、実はその女性はですね、唯一そのエドワードになんというか共感を示して。一生懸命話しかけてくれて。彼の悩みとかも聞いてくれて、仲良くしてくれた唯一の女性だったんですよ。ところがその女性が実は劇作家で、まぁかわいそうな隣人の物語としてお芝居をやろうと。で、そのエドワード役のオーディションをやったんですね。でも彼は顔を変えたからエドワードという名前を捨ててたんですよ。で、セバスチャン・スタンの顔をしていきなりそのオーディションに行って。で、まぁそのオーディションになんというのかな、合格するんですが。誰よりもエドワードを知ってるからね、彼は。自分だから。

エドワードが主役の芝居のオーディションを受け見事合格

(でか美ちゃん)そうか、完璧にできますもんね。

(石山蓮華)役の感情とかを知ってる訳ですもんね。

(町山智浩)でも、なんでこの人こんなに知ってるんだろうとは、思うんですけど、そのイングリッドという劇作家の女性はね。でも彼もイケメンだし好きになっちゃって。まぁエッチもしちゃったりしてですね、恋人同士になってしかも彼を主役に抜擢するんですよ。で、こんなにも何もかも俺は手に入れたぜ、顔を手術してよかったぜと思ってると、そこに前のエドワードと同じエレファント・マンの顔をした人が現れるんですよ。で、その人はオズワルドっていうんですが。この芝居僕出ようと思って、僕本人こういう顔だしね。だからオーディションに出ようと思ったんだけど、もう役が決まってるようだったらいいよって言うんですよ。ところが話してみると彼めちゃくちゃ面白いんですよ。このオズワルドという人は。顔はエレファント・マンと本当に同じ感じなんですけども、とにかく話がうまい。教養がある。ユーモアがある。で、人の話もうまく聞く。しかも色んな才能があってあらゆる楽器が弾けて。それで格闘技までやっていて、スポーツも万能で。

主人公の前に、同じ病気の人物が現れる

(でか美ちゃん)アクティブだな〜。

(町山智浩)で、モテモテなんですよ。このオズワルドは。それで彼は言うんですよ。『エドワード』のこの芝居の役はよく書けてはいるけれども、でもこのエドワードっていうのはあまりにも内向的だねぇって言うんですよ。まぁ顔がこういう形になっちゃったからしょうがないとは思うけども、僕を見てごらんよみたいな話になってくるんですよ。ね。明るくて。友達がいっぱいいるんですよ彼しかも。で、段々そのオズワルドという、そのエドワードの過去の顔をした人にすべてが乗っ取られていってしまう。

(石山蓮華)どう受け止めたらいいか私はこのあらすじだけじゃまだわからない。。

(町山智浩)これまだね前半しか言ってないんです。

(でか美ちゃん)まだ前半。

(町山智浩)後半で大変な展開になってくんですけど。実はね、この何でもできる心のイケメンみたいなね、人を演じる人はアダム・ピアソンという人で、この人本当にこういう病気の人です。

(でか美ちゃん)当事者の方なんだ。

(町山智浩)はい。特殊メイクではなくて、本当にエレファント・マンのような顔をしている人なんですよ。病気で。でも、この人自身の本当の性格なんですこれが。

(石山蓮華)そうなのか!うわ!うわ〜〜見たい〜〜!

(でか美ちゃん)なんかあらすじ聞いてる限りは、オズワルドが言う事ってめちゃくちゃ正しいけど、だとしたらエドワードかわいそうすぎるだろと今の段階では思ってしまいますね。

(町山智浩)かわいそうすぎる。(笑)めちゃくちゃかわいそうなんですが。このアダム・ピアソンっていう人は何の仕事をしているかっていうと、俳優でもあるんですが、そういう障害があったりコンプレックスのある人の心をほぐしてあげて、ポジティブに生きる生き方を一緒に手伝ってあげるという仕事をしている人なんです。

(石山蓮華)プロですね。

(町山智浩)プロなんです。そういう仕事の。だからこれね、この音楽をね、『顔を捨てた男』っていう映画の音楽は『エレファント・マン』の音楽を真似してるとこもおかしいんですけど、今背景にかかっていますが。これはね実はね、言っちゃうとあれなんですが、ドストエフスキーにそっくりな話があるんですよ。まぁ『ドッペルゲンガー』というタイトルなんですが。

映画「」のポスター

主人公は非常にまぁ、お金もあるんですけども、なんというか、心のねじくれた男でですね、人が嫌いで。なんかウジウジしてたんですけども、それはまぁ色んな物のせいにしながら人を憎み、人を遠ざけて暮らしてきた彼の前に、彼と全く顔が同じ人物が出てきて、で、その人はものすごく心が明るくて友達を作るのがうまくて。で、性格だけが違うんですよ。で、だんだん周りの人達はこの明るいバージョンの彼の事しか話さなくなって、暗いバージョンの主人公を忘れていくっていう話なんですよ。

(でか美ちゃん)つら〜い。ちょっとそんな。

(町山智浩)これ、ドストエフスキー自身がそういう人だったんだと思うんですけど。それがたぶんね元にあると思うんですけど。これはね恐ろしい映画でね。『サブスタンス』っていう映画とも非常によく似ています。

映画「」のポスター

(石山蓮華)デミ・ムーアが主演の映画ですね。

(町山智浩)あれも実は自分との戦いですよね。

(石山蓮華)そうでしたね。自分のその見た目の変化というか、老いをどう受け止めるかどうか。

(町山智浩)そうなんです。見た目に苦しんでる人の話なんですけれども。だからこれね、すごく・・なんというか、人は見た目じゃないよとかいう人がいるけども、そんな事はないよって言うと、この役を演じるアダム・ピアソン自身が本当にこういう人だから。ポジティブに生きなきゃしょうがないだろうっていう人なんで。だからこれね、もう反論ができないんですよこの映画。

(でか美ちゃん)だってリアルですもんねそれが。

(町山智浩)本当にそうなんですよ。

(石山蓮華)物語を考えたり見たりする時に、私自身が持っているそのステレオタイプ。物語上のステレオタイプを、どうやって現実が壊していくかっていう事を、なんか、考えたくなりますねすごく。

(町山智浩)これすごい映画でね。僕飛行機で見たんですけどびっくりしましたけどね。うおっ!と思ってね。でね、これね2本ともね(1本目は『ストレンジ・ダーリン』)実は発端部しか話してなくて後半、どうなるかを全然言えてないんですけど。まぁ保証します。とにかくあっと驚く展開が延々と続きますどちらも。すごい映画ですね。映画紹介屋にとっては本当に苦しい映画ですね。(笑)どうしようと思いましたよ本当に。(笑)ずっと温泉の話しようかと思いました今日は。(笑)

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

⑥しかし彼は顔を変えていないのに、明るい人格だった

 

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