ストレンジ・ダーリンの町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『こねくと』(https://www.tbsradio.jp/cnt/)で、『ストレンジ・ダーリン』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『ストレンジ・ダーリン』解説レビューの概要
①オレゴンで撮影された映画『ストレンジ・ダーリン』
②オレゴンの森を真っ赤な服を着た金髪女性がスローモーションで泣きながら駆けてくる
③町山さんが2024年に見た映画の中で1番○○た映画
④1分から2分おきに驚くようなどんでん返し
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
町山さん『ストレンジ・ダーリン』評価
(町山智浩)まずですね、僕これからオレゴンに行くんですよ。シアトルの南のオレゴン。オレゴンはね火山地帯なんで、温泉がそこら中で出てるんですね。で、温泉に入りに行くんですよ実は。
(石山蓮華)え〜いいですね。
(町山智浩)はい。露天風呂とかいっぱいあってね、山奥なんですけど、ものすごい。富士山よりも標高が高い火山がいっぱいあるんですね。で、このオレゴンで撮影された映画でですね、『ストレンジ・ダーリン』という映画を紹介します。音楽をお願いします。
オレゴンで撮影された映画『ストレンジ・ダーリン』
(町山智浩)これはね、『Love Hurts』という70年代のアメリカンロックのなんというかヒット曲なんですけど、懐メロですけど。この美しい音楽ね。で、”Love Hurts”ってうのは、愛というのは傷つくものなのという歌なんですよ。この美しい音楽を背景に、オレゴンの美しい、まぁ森林地帯なんですけど、そのオレゴンの森を金髪の女性が真っ赤な服を着てスローモーションで泣きながら駆けてくるというのがこの『ストレンジ・ダーリン』の最初の冒頭のシーンなんですね。
(石山蓮華)ドラマチックですね。
(町山智浩)ドラマチックで、しかも美しくて。でもちょっとなんていうか危険なおぞましい怖い感じがあって、この映画は一体何なんだって思う訳ですよ。で、すごいスローモーションなんですよ、この音楽に合わせてね。非常に美しい映像なんですけど、この映画はね。僕去年見てるんですけど、去年見た映画の中で1番驚いた映画です。
町山さんが2024年に見た映画の中で1番驚いた映画
(石山蓮華)へ〜驚いた映画。コメディですか?
(町山智浩)はい。コメディ要素もあります。
(石山蓮華)コメディでもあった。
(でか美ちゃん)そういう聞き方ありなんだね、先にコメディですかって聞くのもありなんだ。(笑)
(町山智浩)この映画ね、ジャンルがコロコロ変わって一体何の映画だかわからなくなるんです。これなんの映画なの。
(でか美ちゃん)確かにね。この映画のメインビジュアル、正直日本の配給会社のポスターって、情報!情報!みたいな印象あるんですけど、今回巧妙な傑作って一言書いてあるだけで。
(石山蓮華)しかもスティーブン・キングが寄せてます。
(町山智浩)そうなんです。ホラー小説の本当に王様のスティーブン・キング、キングだから王様って感じですが、その人がね、あまりにもすごい映画だっていう風にこの映画の事を褒めてるんですけど、それ以上の事を言えてないんですよ。
(でか美ちゃん)言えないのか。
(町山智浩)はい。言っちゃったらどうしようもなくて。この映画ね、大体ね1分から2分おきに、全く驚くようなどんでん返しが続いてくんで、何も解説ができないんですよ。困ったものでね。
(石山蓮華)2分で、そんなに細かく展開を考えるってすごいですね。
1分から2分おきに驚くようなどんでん返し
(町山智浩)どうしてそうなってるかというと、実は時間軸がめちゃくちゃになってるんですよ。で、6つのパートに分かれてるんですけどもそれが時間軸どおりに出ないで、めちゃくちゃな順番で出てくるんで。だから、えっこうなったと思ったらこうだったけどこうじゃないの?みたいな観客は予想する訳ですけど、時間軸を頭の中で作ってね。それを全部裏切ってくるんですよ。
(石山蓮華)気になる。
(でか美ちゃん)結構集中力いりそうですね。
(町山智浩)すごい集中しないと意味が分からないから、みんな集中するんですけど。集中する事によって先を想像しますよね、観客は。それを全部、裏切ってくるんですよ。すっごい変な映画で。『ストレンジ・ダーリン』っていうのは、奇妙な恋人みたいなね、奇妙なあなたみたいなタイトルなんですけど、この『ストレンジ・ダーリン』が意味するものがわからないんですよ、最初。で、途中でわかるんですけど。えっ、そういう話だったの?っていうね。これね、冒頭でスローモーションで女性が泣きながら駆けていった後ね、カーチェイスになります。そこまでは言っていいと思います。で、その女性が、逃げていた女性が、真っ赤な車でですね走って、オレゴンの山道をものすごい勢いで逃げてるんですけど、それを真っ黒なトラックに乗ったものすごい怖い男がですね、ショットガンを・・ライフルか。ライフルを乱射しながら追っかけてくるんですよ。で、しかもそのスピードを増すごとにコカインをガンガン吸ってるんですよ。
(石山蓮華)最悪だ。
(でか美ちゃん)結構なんかハードな作品ですね、いきなり。
(町山智浩)そう。で、大クラッシュがあって、いきなりこれかっていうね。で、そこから先はちょっと言えないんだ。
(石山蓮華)えっ。もうここまでですか?
解説ができない、もう全然言えない映画
(町山智浩)ここから先もう言えないんですよ。冒頭5分ぐらいからあとはもう全然言えない映画で。これね、僕監督にインタビューしたんですね。この人ね、実は家族代々やってる仕事があって、その仕事はお化け屋敷の経営なんですよ。
(でか美ちゃん)えーー。じゃぁもううまいんだ、びっくりさせるのが。
(町山智浩)そうなんです。もう人を驚かす事だけを親子でずっとやってきてる家族なんで。であとね、映像は非常に美しくて芸術映画のようですね。だからスティーブン・キングだけじゃなくて、僕もねこの映画は大発見でね。ぜひ見ていただきたいと。誰もが予想できない展開になっていって、しかも非常に芸術的に美しくて、音楽もきれいで。こんな変なね映画っていうのはないなと思います。ストレンジな映画ですね、まさに。
(石山蓮華)へ〜ストレンジダーリン、面白そう。
(町山智浩)それ以上説明できないんですが。(笑)
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
③町山さんが2024年に見た映画の中で1番驚いた映画