少年の君の町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『少年の君』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『少年の君』解説レビューの概要
①アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされた作品。
※受賞は『アナザーラウンド』でした。
②厳しい進学校に通う、高校3年の少女、チェン・ニェンが主人公
③みんな平等である共産主義の中国なのに、厳しい受験戦争がある
④貧乏で母子家庭のチェン・ニェン、学校でいじめられてしまう。
⑤中国で実際に問題になっている、いじめの問題がテーマになっている
⑥チェン・ニェンが出会う男の子、シャオベイはストリートチルドレン。路上生活者の子供。
⑦ストリートチルドレンがいるという事自体、中国の建前からするとまたおかしい事に。
⑧シャオベイが守ってくれる事でイジメにあわなくなったチェン・ニェン
⑨しかし、シャオベイが警察に捕まってしまい、チェン・ニェンへのいじめが再発
⑩地獄のような展開の中、受験当日を迎えが、いじめっ子リーダーの○○が発見される。
⑪東野圭吾さんの小説に似ていると話題
⑫中国政府が表に出さない経済格差を暴いている凄さ
⑬町山さんもキュンとする展開
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネート、『少年の君』
(町山智浩)
『少年の君』というね、中国映画ですね。今回紹介したいのは。これね、アメリカでも結構みんな見てですね。というのはアカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされてたんですよ。はい。ただ日本の話とも繋がってくるんで是非紹介しようと思います。7月公開ですね日本ではね。
これね、主人公は、ものすごい厳しい進学校に通う、高校3年生の少女でチェン・ニェンっていう女の子なんですが。中国には全国統一入学試験があるんですね。統一テストが。それで北京大学とか、そういう国立大学に行くのが決まる訳ですけども。で、まぁ・・それがものすごい厳しい学校で。もう軍隊ですね、殆ど。この中国の進学校って言うのは。
(山里亮太)
へえー!!
(町山智浩)
学校中にこう、なんと言うか”受験に落ちた者はもう人生終わり”とか書いてんですよ、そこらじゅうに。
(赤江珠緒)
厳しい・・。
(山里亮太)
中国で!?
受験に落ちた者は人生終わり
(町山智浩)
すごいんですよ。中国で。それで、「いい学校に行けば、いい会社に入れて、いい仕事に就いて、行けなければ、もうそれで人生、お前らは終わりだー!!」って言うんですよ先生が。
(赤江珠緒)
えっ。でも共産主義なのに?
(町山智浩)
そう。共産主義だったはずなのに、ものすごい超資本主義になっちゃってるんですよ。
(赤江珠緒)
ですよねぇ。
(町山智浩)
そう。共産主義ってみんなが平等だったはずじゃないですか。
(赤江珠緒)
そうですよねぇ!
平等が建前の共産主義なのに・・
(町山智浩)
ねぇ!だからどうなってるんだこれ!っていう話なんですけども、まぁ本当なんですね、中国でちゃんと公開されてますからね。大ヒットしてるんですけども。
で、このチェン・ニェンっていう女の子が貧乏なのに、その進学校に行ってるんですね。どうも進学校に行けるのは金持ちの子だけらしいんですよ。だからそこの段階で、要するに中国の建前として見れば、勉強さえできれば、貧乏でも出世できる、金持ちになれる、幸せになれる、っていう事を言ってるんですが、実際には金持ちしかいい学校に行けないんですよね。
(赤江珠緒)
あ〜・・もう確実な格差があるんですね。
(町山智浩)
そう。これはまぁ日本でもそうですけど、まず親が勉強をできる環境を作ってあげなきゃなんないからですよね。それと、塾とか、家庭教師とかね。で子供がもう生活とか厳しくて、ご飯もちゃんと食べられないような子が勉強出来る訳がないじゃないですか。だからもうその段階で格差が出来ちゃうんですけども。ただこのヒロインのチェン・ニェンちゃんは、勉強ができて、しかもその進学校に行ってるんですが。そのまぁ、無理をしてるんですよ、お母さんが。貧乏で母子家庭なんですけど、お母さんはその学校に行かせる為に、インチキな化粧品のね、通販をやってるんですよ。
(山里亮太)
インチキな・・?
お母さん逃亡、ネグレクト
(町山智浩)
インチキな。で、もう被害者とか借金取りが家に来て、「出てこい!」とかドアをガンガン叩いてるんですよ、団地に住んでるんですけど。で、お母さんは逃げちゃってるんですよ、どこかに。で、娘1人でそこにいるんですよ、ご飯も作ってもらえないんです。
(赤江珠緒)
ちょっと子供として過酷な状況ですね、これ・・。
(町山智浩)
そう。で、家中にそのお母さんの顔の指名手配書みたいなのが貼ってあって、「この女、詐欺師!」とか貼ってあるんですよ。家中と言うか、家の近所、全体に。で学校に行ってもそれをみんな見てるから、もういじめられているんですね。で、お金もない状態なんですよ。だからご飯も食べれないって言う、もう完全にネグレクトされてる、居場所がなくて、友達もいなくて、親からも見捨てられた子がヒロインのチェン・ニェンなんですね。
(赤江珠緒)
うん。。
クラスメイトが飛び降り自殺
(町山智浩)
で、その子が、ある日、まぁ学校では友達が誰もいないんですけども、給食当番になったクラスメイトと2人で運んでる時に、ある事をその女の子から言われまして、ところがそれに対して反応できなかったら、すぐにその女の子は学校の屋上から飛び降りて自殺しちゃうんですよ。
(赤江珠緒)
えっ?うん。
(町山智浩)
で、自殺したらしたで、下で倒れて死んでるんですけど、それをみんながスマホで撮って・・まぁひどいですよね。で、あんまりひどいから、このチェン・ニェンは自分のジャケットを、その女の子の遺体にかけて隠してあげるんですけども。で、どうしてそれをしたかっていうと、その給食を運んでる時に、彼女から、「私は実はすごくいじめられてるのよ。」と。「あの金持ち女のグループに。」と。「あなた、知ってるでしょう?なんで助けてくれないの?」って言われたのに、それに無反応だった為に自殺されちゃったからなんですよ。
(赤江珠緒)
あーー・・。
(山里亮太)
罪の意識もあり。。
いじめの対象がチェン・ニェンに
(町山智浩)
そう。罪の意識でかけたんですけど、かけたらかけたで、「何やってんのよ、あんた!」っていう話になって、いじめの対象が彼女になっちゃうんですよ。チェン・ニェンになっちゃうんですよ。でしかも、そのいじめに関しての調査が始まって、警察も入ってくるんですね。それで、密告したらどうかって言う話になってくるんですよね。で、私達を警察とかに売るんじゃないわよみたいな形で、すごいいじめがそこから始まってくるんですよ。はい。で、これは中国ですごい問題になってる、いじめの問題がテーマになってるんですね。本当に大問題になってるみたいです、中国で。
(赤江珠緒)
あぁそうなんだ・・。
(町山智浩)
もう死者もいっぱい出てるそうです。はい。で、もう学校から家に帰る間も何されるかわからない状態なんですね。その・・いじめっ子がね、また金持ちなんですよ。
(山里亮太)
うわぁ。。
いじめの問題がテーマになっている
(町山智浩)
これは多くの所で共通する所ですね。アメリカでもそうです。大抵いじめっ子の方が、いい家の子です。だって、金持ちの子をどうやっていじめんの?
(赤江珠緒)
まぁそうですよね・・。
(町山智浩)
親出てくるよ。ねぇ。親からネグレクトされてる子がいじめられるんですよ。親が助けないから。
(赤江珠緒)
ねぇ、この過酷な状況の子ですもんね、このチェン・ニェンちゃんもね。
(町山智浩)
親が助けないもん、だって。親が学校に来て、「うちの子いじめられています!」って言うような家の子はいじめられないもん。
(赤江珠緒)
うーん。(深いため息)
学校から家に帰る道でもイジメ
(町山智浩)
ねぇ。で、逃げ場がなくなっていくんですね。それで、家に帰る時にドンドン・・怖いから、普通の道じゃない所を通るようになるんですよ。そうすると、中国のものすごいハイテクな街でも、まぁ非常に危険な所があるんですよね。でもそこを通って帰ると追っかけてこないから。
(赤江珠緒)
じゃぁちょっと治安の悪い所を通って?
(町山智浩)
治安の悪いところを通ると、今度はそこで、ものすごいリンチが行なわれてるんですよ。そう、チンピラ同士のね。で、それを見てて、どうしようか、どうしようかと思いながら見てたんですけど、そのリンチを。そしたら、捕まっちゃうんですよ。「お前、何見てんだよお前ー!?」みたいな感じで。
(山里亮太)
うわぁ。。
リンチを目撃してしまう
(町山智浩)
で、「お前こいつ助けようとしてるのかよ?好きなのかよ?」とか言うんですよ、そいつらが。で、「キスしてみろよ?」とか言うんですよ。
(赤江珠緒)
あ〜、あぁあぁ。
(町山智浩)
そしたらその時、チェン・ニェンちゃんに何故か不思議な勇気が出て、そのリンチにあっている男の子にキスしちゃうんですよ。
(赤江珠緒)
ええっ!
(町山智浩)
それで意表を突かれた不良達を、そのリンチされてる子がやっつけちゃうんですけど。彼実はケンカ強くてね。
(山里亮太)
ほぉ〜!
シャオベイとの出会い
(町山智浩)
それがシャオベイという男の子で、そこから2人が段々仲良くなってくるんですけど。これね、この映画がね、中国で大ヒットしたまず最大の要因は、まずこの、ものすごいいじめを受けているチェン・ニェンちゃんを演じるこの女優さんですね!このルックス!これ、もう・・
(赤江珠緒)
うん!なんか、儚げーな少女ですね。
(町山智浩)
この幸の薄そうな・・(笑)
(山里亮太)
そうですよね!(笑)
(赤江珠緒)
幸の薄いというとアレですけど。(笑)そうね、線の細いと言うかなんかね。
キャスティングが最高!
(町山智浩)
だからこれさ、すごく目鼻立ちのハッキリしてる、いわゆる美人の子がこれをやっていたら、なんでこんな子がいじめられるのってなっちゃうじゃないですか。でも、本当になんか、ものすごくいじめられそうな感じじゃないですか。(笑)
(山里亮太)
なんか静かでね、なんかこう・・
(町山智浩)
難しいですけども・・まぁ眼力がすごい強い子だったりすると、違うんですよね。そうじゃないから、すごいリアリティーがあるんですよ。
(山里亮太)
あ〜物静かで優しそうなね、感じが。
(赤江珠緒)
そうね!
(町山智浩)
まぁ幸が薄そうなね。それですごくいじめられて、それでシャオベイって言うその・・彼女と知り合う男の子はまたね、非常にワイルドな美少年ですね。
(山里亮太)
確かに写真見たらね。
(赤江珠緒)
うん、そうですね。
シャオベイはアイドルグループの子が演じている
(町山智浩)
この子はアイドルグループの子らしいんですけど、これキャスティングでね、もうすごい、半分以上成功してる・・んですね、このリアリズムというね。で、このシャオベイがまた、中国のその、もう1つの問題を象徴してまして・・。親から・・父親からも母親からも捨てられて、子供の頃から地面で暮らしてる、ストリートチルドレン、路上生活者の子供なんですけども。こういった人達が中国にいるって事自体がさ、一応、中国の建前からするとおかしいじゃないですか。
(山里亮太)
みんな平等・・。
(赤江珠緒)
そうですね。
ストリートチルドレン、路上生活者の子供
(町山智浩)
そう。みんな平等で貧しい人はいない社会になってるはずなのに、いる訳ですよ都会のど真ん中にもね。完全に福祉から落ちこぼれてね。で、彼は泥棒とか、ヤクザの下働きをして暮らしてるんですけどもね。で、この2人が段々愛し合うようになっていくっていう話なんですけれどもね。
それで、学校の行き帰りでもって、彼が守ってくれるようになってくるんですよ。
(山里亮太)
えー!わぁ〜いいじゃないですか!
(赤江珠緒)
あぁ、それはよかったね。うん。
(町山智浩)
そう。で、「私には誰も友達がいないし誰も守ってくれない。」って言うんですけど、「じゃあな、俺がな、守ってやるよ。」って言うんですよ。もう胸がキュンとする世界ですけど。ただ彼が、たまたま、警察の手入れ食らって、拘置所に入った時に、彼女がやられちゃうんですよ。
(赤江珠緒)
ああ〜。。
シャオベイが拘置所に入っている間に・・
(町山智浩)
というのは、その前に彼女は実は警察に言うんですね。いじめに関して。ところが、それを警察がきっちり調査して、ちゃんと処分するんですけど、いじめっ子達を。ただ、結局注意にしか過ぎないんですよ。それ以上の事はできないんです。
(山里亮太)
逮捕できないんだ・・。
(町山智浩)
だって、いじめでもって自殺した、で、彼女がいじめられてるってだけだから、学校として要するにまぁ停学にするとかね。親に注意とか。そのくらい以上の事はできないんですよ。
(赤江珠緒)
そうかぁ・・。
(町山智浩)
そう。だから結局、また始まっちゃうんですよ。まぁ、日本なんかでもそうですよね。日本なんか警察すら出て来ないし、介入しないですけどね、日本の警察はね。で、このシャオベイがいつも守ってるからって安心してたら、そのシャオベイが警察に捕まっている間に、いじめっ子のその女の子達が金で・・たぶん金で男を雇って彼女を襲わせちゃうんですよ。
(赤江珠緒)
えぇっ!
(山里亮太)
最悪だ。。
地獄のような展開の中、受験当日を迎える
(町山智浩)
そう。という地獄のような展開がある訳ですが。で。でも、なんとか、受験の当日になるんですね。人生をかけた受験で。この受験に全ての人生がかかって。この受験が終わるとそのお前らの人生はその後50年が地獄だとか先生に言われてる訳ですけど。
(赤江珠緒)
そうかそうか、その状況で受験勉強は続いてたのね、そうか。
(町山智浩)
そう。必死に勉強するんですが。で、とうとう受験当日になったら、今度は、いじめっ子グループの女の子の、リーダーの死体が発見されるんですよ。
(赤江珠緒)
えっ?
(町山智浩)
という話なんですよこれ。『少年の君』って言うのは。
(山里亮太)
誰がいったい・・。
東野圭吾さんの小説「容疑者Xの献身」「白夜行」に似ていると話題
(町山智浩)
すごい展開なんですが。まぁ大ヒットはしたんですが、ただ、原作小説の頃からすごく論議を呼んでいて。それが、東野圭吾さんの小説に似すぎているって言われてるんですよね。
(赤江珠緒)
えーっ!
(山里亮太)
こういう話あったっけな・・。
(町山智浩)
まぁわかる人はわかるんだと思うんですよ。で、すごく叩いてる人もいたりするんですけど。うん。ただ、それはプロットだけでね、この映画自体はすごくその・・中国があんまり表に出さない、経済格差。経済格差があるっていう事自体おかしい訳だから。(笑)中国の建前では。共産主義なんだからね。それとかまぁ、受験戦争。ねぇ。人間性の全くない受験戦争。とか、あと親のネグレクトとか、いじめ。ねぇ。ストリートチルドレンとか、そういったその中国政府が隠してる事を全部暴いてるっていう所にすごさがあって。
(赤江珠緒)
それ珍しくないですか?
中国政府が表に出さない経済格差を暴いている凄さ
(町山智浩)
珍しいですよ、すごい珍しいですよ。だから原作がものすごいヒットしたから、なかなか手が出せないっていう所もあったんだろうなとは思うんですけど。あと、警察がかなり中国は現在、いじめに関与して、積極的に介入するようになったっていうような説明が出てくるんですよこの映画。それで少し中国当局も「まぁいいか。」みたいな所があるみたいなんですけども。
(赤江珠緒)
あ〜、そういう一文を入れることで。
法律を変えて、警察がいじめに介入できるようになった中国、何も変わらない日本
(町山智浩)
そうそうそう。で、まぁ、この間まで介入できなかったんですけど、2019年ぐらいに介入できるように少し法律が変わったらしいんですよ。だからその介入出来なかった頃が舞台みたいな感じなんですね。だから中国政府としてはものすごく監視社会で、警察の権力が強すぎるという事で批判も多いんですが、いじめに関しては逆に、出来るだけ介入して欲しいと。言うのが、人々の考えみたいなんですよね。この辺はすごく難しいところで、日本は全然できないですよね。それで大抵、それこそ、日本は親による虐待にも警察が介入しないもんね。
(山里亮太)
そうか、そうですよね。
(赤江珠緒)
ね。相当わかっててもね、なかなか入れないですもんね。
海外での、いじめに対する警察の立ち位置
(町山智浩)
そう。だからこれは法律を変えるしかないですね。アメリカは介入しますよ。アメリカは子供にちょっとでも虐待の様子があったりすると、警察が介入します!
(山里亮太)
ふ〜ん!
(町山智浩)
フランスには子供虐待警察というものが存在します。
(山里亮太)
へえ!
(町山智浩)
突入しますよこれ、ドアをぶち破って。フランスは。だから、法律がある程度、日本は変わらないと・・でも誰もその法案を出さないのが日本なんだなという気もしますね。日本はほら、子供をその、パチンコ屋の駐車場の車の中に子供を置いたままにする親がいるじゃないですか。
(山里亮太)
はいはいニュースになりますね、時々ね。
(町山智浩)
なるでしょう?アメリカは、12歳になる前の子供を、子供だけの状態にしたらそれだけで親が捕まっちゃうんですから。
(赤江珠緒)
そう言いますよね。アメリカはね、うん。
漫画「ホットロード」に通ずるものが
(町山智浩)
そう。やっぱり法律を変えないとなんないんだろうなっという気もしますね。で、中国は一応変わったという事で・・でもまだ、いじめはひどいみたいなんですけどね。ただ、この映画自体はすごく感動的なのは、これ、この彼の、シャオベイのバイクに乗って、どこにも逃げ場がなくて、何も楽しくなかった女の子が、彼のバイクの後ろに乗って走る所なんですよ。そこで初めて彼女は笑顔を見せるんですよ。これ、『ホットロード』だよね。
(赤江珠緒)
あー!紡木さんの、『ホットロード』!はい。
(町山智浩)
紡木たくさんの『ホットロード』ですよ。
(山里亮太)
なるほど!
(町山智浩)
そう。『ホットロード』も映画化されたんですけども、ヒリヒリするような感じ・・原作のあのヒリヒリするような感じは、こっちの方が近いですよ。
(赤江珠緒)
なんか主人公の女の子のイメージも、ちょっとこう・・線の細い感じの絵のタッチにマッチしてますね。
(町山智浩)
そうなんですよ。これ、チョウ・ドンユィという女優さんなんですけど、『ホットロード』ですね。『ホットロード』の絵ってすごく線が細いんですよね。
(赤江珠緒)
線が細いですね、薄い感じのね。
(町山智浩)
かすれて・・そのまま消え入りそうな絵で書くんですね。それを、実体化させたみたいな女優さんなんですよ。
(赤江珠緒)
あぁわかるー!わかるー!紡木たく作品、読んでいたもん!『瞬きもせず』とか。うん!
(町山智浩)
そう!それがすごいなと思って。紡木たくが『ホットロード』が中国で再生か!っていう感じですよね。
(山里亮太)
へー!!
町山さんもキュンとする展開
(町山智浩)
またね、この男の子はどんな事があっても、彼女のために・・死んでもいいっていう彼なんですよね。
(山里亮太)
これはいいですね。
(町山智浩)
そう。というね、まぁ非常に・・このもうすぐ還暦のおじさんも胸がキュンとするような・・。
(山里亮太)
ははははは。(笑)
(町山智浩)
50年前にドジョウすくいをした少年も、はい。『少年の君』に戻るというね。
(赤江珠緒)
あぁ〜そうですか。状況としてはちょっと地獄のような状況なんだけど、そこに一瞬の青春な、輝きみたいなものがあるんだなぁ。
(町山智浩)
そうなんですよ。まぁ、こういう子達はいっぱいいると思います。世界中にね。日本にも、アメリカにも、全世界にいると思いますけどね。と言う事で、『少年の君』は7月16日から、新宿武蔵野館ほかで、全国公開です!
(赤江珠緒)
はい!わかりました。いや、『ホットロード』すっごい納得でした!町山さん、ありがとうございました!
(山里亮太)
ありしたーっ!
(町山智浩)
どうもでした。
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
⑩地獄のような展開の中、受験当日を迎えが、いじめっ子リーダーの死体が発見される。