Billie ビリーの町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『BILLIE ビリー』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『BILLIE ビリー』解説レビューの概要
①伝説的なアメリカのジャズシンガー、ビリー・ホリデイの生涯を描いたドキュメンタリー。
②『奇妙な果実』という歌を歌ってアメリカを騒然とさせた。
③白人にリンチされ○○○○○を歌った歌。
④当時、白人リンチを主張する黒人がいなかった為、FBIから追われてしまう
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
(町山智浩)
今日はですね。7月2日からですね、日本で映画が公開されるんですけど。角川シネマ有楽町で『BILLIE ビリー』という映画が公開されます。
(赤江珠緒)
はい。
(山里亮太)
ビリー。
(町山智浩)
それはあの伝説的なアメリカのジャズシンガーで、ビリー・ホリデイという女性の生涯を描いたドキュメンタリー映画なんですけども、はい。この番組でも話したかなと思うんですけども、ビリー・ホリデイは1939年に『奇妙な果実』という歌を歌って、アメリカを騒然とさせたんですね。
(赤江珠緒)
うん。
『奇妙な果実』という歌の歌詞
(町山智浩)
これは”南部に行くと、木から奇妙な果実、果物がぶら下がっている”という歌詞なんですけど、それは白人たちにリンチされてですね、木からこう首吊りにされてブラ下げられている黒人の死体の事を歌った歌なんですよ。
(赤江珠緒)
あーー・・!
(町山智浩)
で、これがすごく当時問題になったのは、まず実際にその黒人のリンチが多発している最中だった、でリアルタイムだったっていう事と。黒人が白人に向かって差別を告発する歌というものはその当時存在しなかったんです。
(赤江珠緒)
うんうんうんうん。
FBIから追われる事に
(町山智浩)
えー今はですね、すごくヒップホップとか色んな形で黒人が自分達の主張を歌う事は普通ですけど、当時は一切そんなものは存在しなかったんですね。で、まぁ南部では黒人の人権がない時代だったんで、まぁ大変な事になりまして、これを歌ったこの女性歌手のビリー・ホリデイっていう人はですね、FBIから、追われる事になるんですよ、それで。で、その当時のFBIは、エドガー・J・フーバーという差別的なね、長官が仕切っていまして。自分の思想的に気に食わない人間を潰す為の思想警察だったんですね。
(山里亮太)
へぇ〜!!
ビリー・ホリデイが抱えるもう1つの問題
(町山智浩)
で、そのビリー・ホリデイはですね。まぁ・・麻薬をやっていまして。ヘロインとかをやっていまして、まぁ当時、ミュージシャンの多くがやってたんですけれども、で、それを使ってなんとか彼女を弾圧しようとしてFBIが追っかけ回す。という話がこの『BILLIE ビリー』というドキュメンタリーなんですけども。もう1つこのビリー・ホリデイがすごく苦労するのはですね、彼女が好きになる男がみんなね、なんていうかヒモ体質で。あんまり働かなくて。
(赤江珠緒)
あらま。
(町山智浩)
彼女で金を稼ごうとして、しかもDVでガンガン殴るっていう男ばっかり好きになっちゃう。そういうなんていうか癖があったんですね、この彼女は。で、まぁ散々苦労して、44歳で亡くなってしまうんですけども。まぁ、そんな壮絶な人生のドキュメンタリー『BILLIE ビリー』が7月2日から公開なんです。
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
③白人にリンチされ木から首吊りにされてぶら下がっている黒人を歌った歌。