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引用:IMDb.com

レリック ー遺物ー & オールドの町山智浩さんの解説レビュー

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2021年07月29日更新
『レリック』と『オールド』ね。一方の映画は、どうしてこうなったかと言う、非常に論理的な説明が付いていくんですよ。で、もう一方の映画には全く説明がないんですよ。でね、見比べてみると、僕は、説明がない方が良かったですね。日本では、ほぼ同時期に公開されるんで、ぜひ見比べてみてほしいなと思います。(TBSラジオ「たまむすび」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『レリック 遺物』『オールド』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『レリック 遺物』『オールド』解説レビューの概要

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

歳を取っていくと言う事の恐怖についてのホラー映画

(町山智浩)
今日、話したい映画はですね、歳を取っていくと言う事の恐怖についてのホラー映画なんですよ。

(赤江珠緒)
ほうほうほう。

(町山智浩)
はい。で、1本まさにそういうタイトルで、『レリック -遺物-』と言うんですけども。”遺物”っていうのはだからもう、かつてあったものっていう意味ですね。

(赤江珠緒)
遺跡の「遺」ですよね、うんうんうん。

(町山智浩)
で、もう1本は『オールド』という映画で、まさにオールド・・って言う、古くなるっていうタイトルの映画で、はい。

引用:IMDb.com

『レリック』は親子三代の女性の物語

(町山智浩)
『レリック』という映画はですね、親子三代の女性の物語なんですけども、森の中に1人で住んでるおばあちゃんが、徘徊・・をし始めちゃうんですね、お歳で。

(赤江珠緒)
ふんふん。

(町山智浩)
で、心配だって言って、娘が実家に帰ってきて、孫娘を連れて、で3人で暮らすんですけど。まぁすごくいいおばあちゃんでね。例えばこの、指輪を孫娘にあげるんですよ。

(赤江珠緒)
指輪を。うん。

指輪を孫に贈るおばあちゃん

(町山智浩)
で、「この私の結婚指輪をあなたの結婚指輪として使ってね。」って言って孫娘にくれるんですけど、それをまた孫娘がその指輪を付けているとね、「私の指輪を取ったね!泥棒!」ってやるんですよ。おばあちゃんが。

(赤江珠緒)
あぁ〜。。うんうんうん。

(町山智浩)
おばあちゃん認知症なんで、短期記憶が弱ってるんですね。で、段々その娘とか孫娘に対して「あんた誰だよ!泥棒か?」とか、「なんでうちにいるんだよ!」とか言い始めて。で、それだけならいいんですけども、どんどんどんどん実際の怪物におばあちゃんが変わっていってしまうっていうホラーなんですよ。

(赤江珠緒)
えー・・。

(山里亮太)
ホラー!うん。

引用:IMDb.com

認知症になったおばあちゃんが怪物に変わっていくホラー

(町山智浩)
それが『レリック』なんですけど、これは実際に監督が体験した事なんですって。

で、この監督はね、ナタリー・エリカ・ジェームズさんっていう人なんですけど、この人、お母さんが日本人で、おばちゃんは日本の人なんですね。

(赤江珠緒)
えー!うん。

(町山智浩)
で、夏休みとかお正月休みにはいつも日本に帰って、おばちゃんの田舎に行ってたんですけども。段々、自分の事をおばあちゃんが忘れてっちゃって。「あんた誰だい!」ってやり始めたらしいんですよ。でもう、本当に優しくて大好きなおばあちゃんだったのに、どんどん壊れていく悲しさとか、そういったものを・・。

(赤江珠緒)
うん、つらいね。

(町山智浩)
はい。つらいですよね、やっぱりね。。ホラー映画にしていったと。いうのがこの『レリック』なんですけど。でもね、あの・・僕まだボケてないですけど、殆ど同じ扱いを受けてますね、娘から。(笑)

(山里亮太)
ははは。(笑)さっきの歌の事と言い。

町山さんも娘からボケのような扱いを受ける

(町山智浩)
歌の事と言い。「古いんだよ!」って言われてますから。それと”最近”って、最近の事を話してつもりで80年代の事を話してると「最近じゃねえ!」とか言われてますけどね。(笑)

(山里亮太)
的確なツッコミなんだけどね。(笑)

(赤江珠緒)
そうね、そうですね、90年代に生まれた人が普通にもう大人ですからね。

(町山智浩)
そうなんですよ。でも”最近”って言っちゃうんですよ。そういうとこでね、殆どレリック状態になってるという事が怖いんですけど。はい。

引用:IMDb.com

『オールド』は海のリゾート地が舞台

(町山智浩)
で、もう1本の映画『オールド』というのはですね、これは海のリゾート地が舞台で。すごいステキなね。そこに夫婦がやってきます。で、11歳の娘と6歳の息子がいるんですけども、で、この夫婦がインターネットで格安のリゾート地を見つけて、すごい高級リゾートで。すっごい良いホテルだったんですけど、しかも支配人がですね「お客様だけにね、とっておきのプライベートビーチを紹介します。」って言うんですよ。で、そのプライベートビーチに連れて行かれると、そこはまぁ本当に美しくて誰もいなくて。最高なんですね貸切状態で。ところがですね、そのプライベートビーチに連れて来てくれるマイクロバスの運転手がですね、すごく不吉なインド人なんですよ。

(山里亮太)
不吉なインド人?

不吉なインド人、M・ナイト・シャマラン

(町山智浩)
この人はですね、M・ナイト・シャマランというですね、監督なんですね、この映画の。

(山里亮太)
ほう!

(町山智浩)
で、この人はとにかく『シックス・センス』とかですね。ホラー映画ばっかり撮ってる人ですね。で、この人は必ず映画に出てくるんですよ。だからこの人が出てくると、ロクな事にならないんですよ。

(赤江珠緒)
あー!そうなんだ!

引用:IMDb.com

シャマラン監督の登場=ロクな事にならない

(町山智浩)
そうなんですよ。で、このシャマランが出て来て、バスで主人公達をそのビーチに連れて行ってくれるんですけども、それは映画ファンにとってはその段階で、もう地獄行きのバスなんですよ。

(赤江珠緒)
地獄の案内人なんだ、シャマランは。

(町山智浩)
アイツが出てきたらもうヤバイっていうやつなんですよ。で、そのビーチでその家族が遊んでいるうちに、ハッと気付くと、その・・男の子。6歳の男の子が、なんかね、口の周りにヒゲみたいのが生えてるんですよ。

(赤江珠緒)
えっ?うん。

(町山智浩)
で、11歳の娘が、なんかおっぱいとかボインになってるんですよ。で、アレッ?と思うと、息子と娘がどんどん大きくなってってるんですよ。

(赤江珠緒)
成長してる?うん。

子供たちが急激に成長し始める

(町山智浩)
成長してるんです。で、これでなんか・・どんどん大人になってくれれば、育てなくてよくて楽だ、みたいな話じゃないんですよ。どんどん成長していくと、自分達も!「あなた・・ちょっと・・シワ・・すごく増えてない?」みたいな話になってくるんですよ。

(赤江珠緒)
えー!うん。

(町山智浩)
そのビーチでは、ものすごいスピードでみんなが老いていくんです!

(赤江珠緒)
うわぁ・・。

引用:IMDb.com

ものすごいスピードでみんなが老いていく

(町山智浩)
って言う映画が、この『オールド』なんですよ。これ怖いですよ、これ。

(赤江珠緒)
怖いですね。なんかちょっと今までのホラー映画とは違う怖さですね。

(町山智浩)
これね、毎日起こっている事ですよ、僕に。(笑)

(赤江珠緒)
ははは!そうか。スピードは違えど、みんなに起こってるね。

スピードは違えど、みんなに毎日起こっている

(町山智浩)
どんどんと頭が薄くなってきて、どんどん耳が遠くなってってね。で、どんどん目がね、見えなくなってくんですけど。それがものすごく急激に起きていくっていうホラー映画なんですよ。これ、1番怖いですね、今起こっているから。

(山里亮太)
町山さん、ひょっとしたらシャマランに会ってるのかもしれない。(笑)

(町山智浩)
そう。(笑)なんかね、シャマランがその辺にいそうなんですけど。(笑)そういう映画で。この2本がね、なんかね、日本では相次いで公開される事になって。みうらじゅんさんがね、こういう老いる事が1番怖いって言ってね、”老いるショック”って言ったんですけど。

(赤江珠緒)
はははは!!(笑)

引用:IMDb.com

老いるショック

(町山智浩)
でも、オイルショック自体を知らない人が多いなって。

(山里亮太)
あー!

(赤江珠緒)
そうですね!そうだな。

(町山智浩)
70年代の話だろそれって思いましたけども。

(赤江珠緒)
私達ですら生まれる前だもんな。へぇ。

一方は論理的説明あり、もう一方は説明無し

(町山智浩)
そう。本当に言ってる事が全然通じない世界になってますけど。この映画ね、ただね、この2本はね。一体どういう話なんだろうと思って見てると・・この『レリック』と『オールド』ね。一方の映画は、どうしてこうなったかと言う、非常に論理的な説明が付いていくんですよ。

で、もう一方の映画には全く説明がないんですよ。でね、見比べてみると、僕は、説明がない方が良かったですね。

(赤江珠緒)
へーー!!

(町山智浩)
はい。説明がないと、その・・この老いるということについて非常に抽象的に自分に引き付けて考える事ができるんですけど、説明があると、その映画の中で話が終わっちゃんですよね。

(赤江珠緒)
あぁ、そうか・・うん。

(町山智浩)
だからこれね、本当に比べてみると映画ってなんでもその・・ねぇ。意味とか説明されると面白いとは限らないんだなっていう事がよくわかりましたね。

(赤江珠緒)
奇しくもちょっと同じようなね、本当・・「老い」をテーマにしていますけどね。

(町山智浩)
もう”老いる”ってそれだけで怖いんだから理由とか言わなくていいよみたいな話なんで。(笑)

(山里亮太)
確かに確かに。

引用:IMDb.com

2本を見比べてみて

(町山智浩)
という事で日本では、ほぼ同時期に公開されるんで、ぜひ見比べてみてほしいなと思います。

(赤江珠緒)
はい。『レリック -遺物-』は8月13日からシネマート新宿ほか全国公開。『オールド』は8月27日から全国公開です。確かに説明とかないですもんね、老いていくっていう事はね。

(町山智浩)
説明してほしいですよ僕のこの髪の毛が抜ける理由とかそういうのね!

(赤江珠緒)
(笑)「説明責任だ!」とか言われてもしょうがないですもんね、こればっかりはね。ふふふ。町山さん、ありがとうございました。

(山里亮太)
ありした!

(町山智浩)
どうもでした。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

②認知症になったおばあちゃんが怪物に変わっていくホラー。

⑦シャマランは『オールド』の監督で、必ず映画に出てくる。この人が出るとロクな事にならない。

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