ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結の町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』解説レビューの概要
①DCコミックスの悪役が自殺的なミッションに向かうストーリー
②suicide=決死の~ squad=分隊(少人数の部隊)という意味
③続編である今回は前回の問題点をすべて変更した
④前作の問題点は○○○
⑤彼らがミッションに行く予定は、小型爆弾を頭に注射されているから
⑥ジェームズ・ガン監督は過去にマーベルをクビにされていた
⑦ジェームズ・ガン監督自身もスーサイド・スクワッド
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』町山さんの解説とは
(町山智浩)
で、もう1本もですね、悪役だと思ったらヒーローになっちゃった系なんですよ。
(山里亮太)
はいはい!
(町山智浩)
それはね、『ザ・スーサイド・スクワッド』っていうタイトルの映画なんですね。これ、1作目も確かたまむすびで紹介した気がするんですけど。
(赤江珠緒)
はい。
悪役が自殺的なミッションにあたる
(町山智浩)
これはまぁ刑務所に入ってる悪人達。を、その刑務所から釈放してですね、政府が彼らを雇って非常に危険な、その自殺的なミッション、自殺的な作戦に行かせるっていう話だったんですね。で、これがまたDCコミックスというスーパーマンとかバットマンの漫画のシリーズがあるんですが。それに出てくる悪役達だけしか出てこない映画なんですよ。
(赤江珠緒)
そうでした!ハーレイ・クインとか出てきますよね。
続編の今回は、前回の問題点を全部変えた
(町山智浩)
そうです。バットマンの敵役のジョーカーの恋人のハーレイ・クインが出てきてですね、すごく大人気になって彼女だけのシリーズが作られたりしてるんですけども。その続編なんですけども、今回はですね、前回の色んな問題点を全部変えちゃってですね。
(赤江珠緒)
えっ?
(町山智浩)
非常に傑作になってるんですよ。というのはね、前作の1番の問題というのは、スーサイド・ミッションって言ってるのにあんまり死なないんですよ。その、まぁ非常に危険なミッションに送られる悪人達がね。で、今回、バタバタ死にます!
(山里亮太)
ええっ!!
バタバタ登場人物が死に先が予測できない展開
(町山智浩)
もう最初からどんどんどんどん死んでくんですよ。だから、誰が生き残るのか全然わからないんですよ見ている方は。
(山里亮太)
はぇーーー!!
(町山智浩)
でね、もちろんハーレイ・クインちゃんだけは、なんていうかもう既にスーパースターなんで、彼女はなかなか死なないですけども、他の人達はものすごく唐突に死んでくんで、全然先が予測できない内容になっています。
(赤江珠緒)
へぇ〜!
なぜ彼らがミッションへ行くのか
(町山智浩)
で、彼らがなんでこのミッションに行かされるのかね、悪役なのになんでそんな正義の戦いをさせられるかというと、超小型爆弾をね、ものすごくちっちゃい爆弾を頭の中に注射されてるからなんですよ。で、それをリモコンで爆発するぞと。だからお前らが逆らったり逃げたりしたら死ぬからねって言われて仕方なくやってるんですけども。今回のこのスーサイド・スクワッドのリーダーはちょっと動機が違っててですね。
スーサイド・スクワッドのリーダーは違う事情でミッションへ
ブラッドスポートという名前の元スナイパーがやってるんですが・・これ、イドリス・エルバさんっていういつもヒーロー役をやってる人ですね。ただ彼のミッションに参加した理由っていうのは娘を人質に取られちゃってるんですよ、政府に。で、娘はちょっとした犯罪をしたんだけども、彼女を刑務所に入れちゃうから。ね。入れられたくなければ、このミッションに参加しろって言われてイヤイヤ参加するお父さんなんですけども、娘の為に。で、ただね。ミッションがすごくバカなミッションなんですよ。これね、中南米の島に・・カリブ海の島に軍事政権をやってる国があるんですね。で、その国に潜入して、ある研究施設を破壊しろっていうミッションなんですけども、その研究施設にはスターロという名前の宇宙怪獣がいまして。(笑)
(山里亮太)
はははは!
(赤江珠緒)
宇宙怪獣?うん。
(町山智浩)
これがね、写真があると思うんですけど。
ありますね!
(町山智浩)
ヒトデ型の怪獣なんですよ。でっかいヒトデの真ん中に目が付いているっていうね。これね、日本に昔大映がね、大昔にね『大怪獣東京に現わる』っていう映画を作った事があって。それがね、ヒトデの真ん中に目が付いてるやつだったんですよ。
(赤江珠緒)
そうですね。なんかちょっと昭和の懐かしい感じがする怪物っていうのはそういう事か。怪獣だ。
(町山智浩)
そう。これね、DCコミックスに出てくるキャラクターなんですよ。本当にやっぱり昭和の頃に書かれた非常に古臭い怪獣なんですよね。
(赤江珠緒)
へぇ〜!
昭和レトロな宇宙怪獣、スターロを破壊しろ
(町山智浩)
それがね、今時出てくるっていうだけでね。で、その怪獣を軍事政権が飼ってるんで、その怪獣が暴れだしてね、世界を襲ったりしないように破壊しろって言われるんですけど、このものすごくバカバカしいミッションで、どんどんこのスーサイド・スクワッドが命を落としていく所は本当にね・・全員ね、本っ当にマヌケな死に方をするんですよ。
(赤江珠緒)
ええーーーー!
(町山智浩)
これね、コメディなんです。
(山里亮太)
まぁ・・でしょうね!(笑)
(町山智浩)
でしょうねって言うか、これどうもコメディにしかなりようがないんだけども。(笑)
(山里亮太)
ですよね!(笑)
ピースメイカーという悪人
(町山智浩)
本当にね、こんな死に方ないだろうっていうぐらいね、バカバカしい死に方でどんどん人が死んでくんですよ。ひどい内容ですけどね。で、この悪役達もひどい人たちでね、ヤカン被ったみたいなね、ダッサいヘルメットのピースメイカーっていう悪人が出てくるんですね。
(赤江珠緒)
ほんとだ。
(町山智浩)
これピースメイカーって言うから”平和の使者”って名前なんですけど、バンバン人殺すんで、「なんでお前がピースメイカーなの?」って聞くと、「俺が平和になる為に邪魔な奴を殺すのさ。」って言うんですよ。
(山里亮太)
1番ヤバい奴だ。
(町山智浩)
1番ヤバい奴なんですけども。(笑)
(町山智浩)
で、またハーレイ・クインは・・いつもの通りで、ハーレイ・クインって全く空気を読めないキャラクターなんですよね。で、ものすごい戦闘中でも全然関係ない話をして、話の腰を折るっていう人なんですけど、今回も折りまくっててですね。盛り上がる所でね、ズッコケさせるんですよ。
(町山智浩)
あとね、シルヴェスター・スタローンが声をやっているキャラクターが出てくるんですけど、それがキング・シャークっていうサメなんですよ。
(赤江珠緒)
いやいやいや。これおかしくないですか?このサメ。(笑)
(町山智浩)
おかしいですよこれ。サメがジーパン履いているんですけども。なんでサメが死刑囚になって刑務所にいたのかよくわからないんですよ。(笑)
(山里亮太)
そうですね、サメが人間の法に従って捕まって・・(笑)
(赤江珠緒)
本当ですね。(笑)
(町山智浩)
なんで刑務所に入れられたのかよくわからないんですけど。(笑)
ポルカドット・マン
(町山智浩)
あとね、これはないだろっていう敵がね出てきて、ポルカドット・マンっていうんですよ。ポルカドットって水玉のことなんですよ。で、赤や黄色や青の水玉が体中に付いてる男なんですね。で、ものすごく気が弱いんですよ。ダサい服を着てね。で、子供の頃母親に虐待されてたって事でウジウジした男なんですけども、こいつがね、1番強いんですよ。
(山里亮太)
あ〜〜いいなその感じ!
(町山智浩)
これが1番強くて、母親に対する憎しみ思い出すと、ものすごい暴走して大虐殺するんですよ。
(山里亮太)
うわ〜〜。
(町山智浩)
とんでもないんですけど。とにかくね血がすっごい出る映画なんですよ。もう首飛んだりもうグチャグチャなんですけど、あんまりにも血が出るから途中で、申し訳ないと思ったのか、血の代わりに花びらが舞うようになってます。
(赤江珠緒)
wwwwwwwww途中から!?ええっ?
血の代わりに花びらが舞う
(町山智浩)
途中から花がファーッと舞ってキレイなんですよ。なんなんだって思うんですけど。そういうね、非常に雑なね、いい加減で楽しい映画なんですが。これね、監督がジェームズ・ガンっていう人なんですよ。で、この人はあのマーベルの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』っていうシリーズで大ヒットを飛ばした監督なんですね。
(赤江珠緒)
あ〜!
(町山智浩)
宇宙を駆け巡る正義の味方達の話なんですけども。
(赤江珠緒)
はい。見ました見ました。
ジェームズ・ガン監督の過去
(町山智浩)
ところが彼ね、そのマーベルをクビになっちゃったんですよ。この人元々すごく、なんというかキツいジョークを言う人で、Twitterで、すごくまぁ・・言っちゃいけないジョークを昔言ってたんですね。で、このジェームズ・ガンはすごくトランプ大統領は嫌いだったのでトランプ批判をTwitterでしてたら、トランプ信者の1人が、その彼の昔の非常に良くないジョークのツイートをほじくり出してきて。こいつはトランプを批判してるけど、こんな事言ってたやつだぞ!ってまぁ・・晒しちゃったんですよ。そしたらマーベルって経営母体がディズニーなんで、これはヤバいと。言う事でこのジェームズ・ガンをクビにしちゃったんですよ。
(赤江珠緒)
は〜そうですか。
(町山智浩)
そうしたら、そのマーベルのライバルであるDCコミックスのDCシリーズが、じゃぁそっちをクビになったんだったらうちで、そっちで正義の味方作っててダメになったんだったら、うちで悪人達の話を作ってねって言って、『スーサイド・スクワッド』を監督させたんですよ。だから彼自身もスーサイド・スクワッドなんですよ。(笑)
(山里亮太)
そうですよねぇ!(笑)
(町山智浩)
監督自身が悪役として追放された人なんですよ。
(赤江珠緒)
へぇ〜!
監督自身が悪役として追放された人だった
(町山智浩)
そう。だからね、本気で作ってますよね、そういう点ではね。
(赤江珠緒)
あっ、そうですかぁ。
(山里亮太)
これ面白いなぁ!
(町山智浩)
だからね、これはね、非常にtwitterには気をつけた方がいいっていう話ですね。
(赤江珠緒)
そうですね、なんかちょっとねデジャヴ感がありますね。(笑)
(山里亮太)
教訓が。(笑)
(町山智浩)
色々と教訓がある訳ですけども。(笑)まぁとにかくね、メッチャクチャば映画でね。本当に笑っていいのかよくないのかよく分からないと言うね。ジェームズ・ガンのまぁtwitterで問題になったようなセンスが爆裂してる映画でしたね。という事でね、これがスーサイド・スクワットなんですが。(笑)
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
④前作の問題点は、スーサイド・ミッションって言ってるのにあんまり死なないんですよ。