フリー・ガイの町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『フリー・ガイ』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『フリー・ガイ』解説レビューの概要
①いわゆるモブキャラがヒーローになる話
②映画の舞台は『グランド・セフト・オート』
③主人公は『グランド・セフト・オート』ゲームの中の銀行員
④何でも出来る世界で何をするか
⑤主人公は何でもアリな世界で○○○○をし始める
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
『フリー・ガイ』町山さん解説
(町山智浩)
で、3本目はですね、『フリー・ガイ』っていう映画なんですよ。これはね『ザ・スーサイド・スクワッド』と逆で、すごく平和な男がヒーローになる話なんですね。で、いわゆるモブキャラ・・ってわかります?
(赤江珠緒)
なんと言うでしょうか・・ゲームの中の、主要メンバーじゃない・・。
(山里亮太)
はい、あの・・背景とかね。
(町山智浩)
そうそうそうそう。後ろにいるその他大勢。の1人がヒーローになるっ話なんですよ。でね、これね映画の舞台は『グランド・セフト・オート』ってありますよね、ゲーム。何してもいい世界。オープンワールドで、ルールがこう決まっている訳じゃなくて、もうとにかく、銃を持って、そこらへんにいる人を殺してもいいんですよね、あれね。
(山里亮太)
そういうゲームですよね。
映画の舞台は『グランド・セフト・オート』
(町山智浩)
怖いゲームで。警官を撃ってもいいし、そのまぁそこに銀行があったら銀行に行ってお金取っていいし、いい車があったらその車を盗んじゃってもいいんですね、フェラーリとかあったらね。で、何をしてもいいゲームなんですよ、『グランド・セフト・オート』って。で、人々が・・あのゲームが売れているのは、その禁じられている欲望を、なんていうか解放するためのゲームですよね。で、うち関係ないけど親戚に正月会った時に、親戚の甥っ子がこれを黙々とやってて、非常に怖いものを感じた事がありましたけどね。(笑)というね、いけないゲームなんですけども、非常に大ヒットしている訳ですよ。で、この主人公はその何をやってもいい世界で、強盗される銀行の銀行員なんです。
(山里亮太)
まさにモブですね。
(赤江珠緒)
わーそうですか、ほんとだねぇ。
主人公は『グランド・セフト・オート』ゲームの中の銀行員
(町山智浩)
モブなんですよ。だからただもう通り過ぎていく背景になってるんですけど。で、彼も毎日毎日強盗されて、「あぁ今日も強盗されちゃったな。」みたいに言って、当たり前のようにそれを生きてるんですよ、その生活を。ところがその時に、ある彼が知り合った女性がですね。こうサングラスを渡してくれるんですね。で、そのサングラスをかけると、この世界のゲームとしての正体が見えちゃうんですよ。だから、ゲームってポイントが出るじゃないですか。で、あとまぁライフ。ライフのレベル、要するに命ね。そういうのが画面の外にデータで出るじゃないですか。あれが見えるようになるんですよ、このサングラスをかけると。あとほら、そこであるものを撃ったりその箱を叩くと、そこから銃が出たりするっていうポイントがあるでしょう?あと命が出たりするポイントがあるじゃないですか。それが見えるようになるんですよ。
(赤江珠緒)
おっ!すごい。
(町山智浩)
ね、だから何でもできるようになるんですよ。
(赤江珠緒)
そうですね。
何でも出来る世界で何をするか
(町山智浩)
その世界で何でもできる鍵を手に入れちゃうんですけども、じゃぁ何をするかって考えたら、この人ね。『グランド・セフト・オート』で何してもいいんですけど、すごくいい人なんですよ。
(山里亮太)
っあー!
(町山智浩)
すっごくいい人なんですよ。だから、暴力でも何をしてもいい世界なのに、いい事をし始めちゃうんですよ。
(赤江珠緒)
えー!
いい事をし始める主人公
(町山智浩)
人を助けたりするんですよ。で、そのゲームのルールをある意味破壊していくんですよ。そのゲームの世界っていうか世の中を良くしていくんですよ。で、そのゲームはそういう非常に人の欲望を使って金儲けしてるそのゲームを作ってる会社、そのものとの対決になっていくんですよ。
(赤江珠緒)
ちょっと面白い発想ですねこれ!
(山里亮太)
面白そう・・!
信じられないぐらいいい話
(町山智浩)
これ、すごい信じられないぐらいいい話なんですよ。これね、ライアン・レイノルズさんっていうね俳優さんが『デッドプール』でデップーをやっている彼なんで、本当に人の良さそうなね、キャラクターなんでね、それがすごく成功してるんですけど。これね、普通だったらゲーム中の話だからどうでもいいや、現実とは関係ねえやっていう気になるじゃないですか。
(山里亮太)
はい。
人生の話
(町山智浩)
そうじゃなくて、やっぱり人生の話なんですよね。あなたは何をしてもいいってなったら、何をするかっていう事ですよまず。悪い事をしても許されるとして、悪い事をするかって事なんですよね。で、もう1つは、みんな自分の人生とその世の中を変える事とは別だと思ってる人が多いですよね。この彼もそうだったんですよ。自分は銀行で、ただ強盗されるだけだと思ってたんですよ。その世の中に対して彼は主体じゃなかったんですよずっと。でも、そうじゃないんですよ。あなた、主役になろうと思えばなれますよって言われた時に、あっ!そうだ!って気付く話なんですよ。でも、多くの人はそうじゃないですか、世の中を変えるっていうのは他の誰かがやる事だと思っているんですよ。でもそうじゃないんだ、気付けば変えられるんだっていう事ですよ。
(赤江珠緒)
ほぉ〜すごい本当だね、人生・・とリンクしますね、自分のね。
(町山智浩)
そう。だって誰もが実は自分の人生の主役なんだから。それに気付きなっていう話なんです。ものすごい深い話ですよ、この『フリー・ガイ』は。
(赤江珠緒)
へぇ〜面白そう。
人はなりたい物になれる
(町山智浩)
だから実はこの3本(『ドント・ブリーズ2』『ザ・スーサイド・スクワッド』『フリー・ガイ』)とも、すごく共通してる所があって。人はなりたいものになれるっていう話なんですよ。
(赤江珠緒)
えっ?最初のこのお爺さんも?(笑)
(町山智浩)
これ以上は言いません!(笑)はい!という事で、3本まとめて公開なんで、なぜか公開日が全部8月13日というね、事になってますが。13日の金曜日?もしかして!
(山里亮太)
そうです!
(赤江珠緒)
そうだ。
(町山智浩)
とんでもない日ですけど!素晴らしい映画が3本公開されるんで、頑張って行って下さい!
(赤江珠緒)
『ドント・ブリーズ2』『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』『フリー・ガイ』の3本、8月13日から全国公開で御座います。いや〜なんかどれも興味深い・・。
(山里亮太)
ね!面白そう!
(町山智浩)
いい映画ですよ。最初の2本血まみれですけどね。(笑)血みどろですけど。(笑)
(赤江珠緒)
町山さん、ありがとうございました!
(町山智浩)
どもでした!
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
⑤主人公は何でもアリな世界でいいことをし始める