ホロコーストの罪人の町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)
で、『ホロコーストの罪人』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『ホロコーストの罪人』解説レビューの概要
①『ホロコーストの罪人』の英語タイトルは『Betrayed』”裏切られて”
②ノルウェーに亡命したユダヤ人一家の実話
③ノルウェーの人が守ってくれると思ったのに守られなかった
④元ボクサーの主人公は裏切られ収容所に入れられる
⑤ユダヤ系の人達は773人がノルウェーからアウシュビッツに送られ殺される
⑥その手続をしたのはすべてノルウェー人
⑦ノルウェーの原題は、○○○
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
『ホロコーストの罪人』の町山さん解説評論
〜2021年5月にアメリカがアフガニスタンからの正式撤退を開始し、2021年8月にタリバンがアフガニスタンを制圧した件を受け〜
(町山智浩)
ちょうど、そういった事を描く映画が続けて日本で公開されるので今回紹介したいのですが。
(赤江珠緒)
あ、そうですか、はい。
(町山智浩)
で、1つはですね、『ホロコーストの罪人』というタイトルの映画なんですね。
(山里亮太)
はい。
『ホロコーストの罪人』の英語タイトルは『Betrayed』”裏切られて”
(町山智浩)
これノルウェー映画なんですが。これね、日本語タイトルが非常に・・なんか誤解を招くんですけど。ホロコーストつまりユダヤ人大虐殺をした罪人の話かと思うんですけど、全然そうじゃなくて。これはホロコーストされたユダヤ人達の家族の物語なんですよ。
(赤江珠緒)
んー!うん。
(町山智浩)
これね、英語タイトル、この映画ね。『Betrayed』って言うね、”裏切られて”っていうタイトルなんですけど、そっちのが正しく内容をね、意味しているタイトルなんですが。これね、第二次大戦中ノルウェーは、ナチスドイツにずっと抵抗をしていまして。特にノルウェーの国王のホーコン7世は絶対にヒトラーには屈しないという人だったんですね。だから、他の国で弾圧されてたユダヤ人が逃げてきてたんですよ。で、この物語・・『ホロコーストの罪人』の主人公は、実在のユダヤ人一家で、ブラウデ一家という家族で、元々、リトアニアに住んでたんですけども、そこでユダヤ人の迫害が起こったんで、ノルウェー政府に亡命を申請して受け入れられた難民なんですよ。
(赤江珠緒)
うん。
ノルウェーに亡命したユダヤ人一家の実話
(町山智浩)
ね。で、ノルウェーが守ってくれると思っていたんですが、まぁナチスが攻め込んできて、ドイツが。で、占領されちゃって、抵抗してたノルウェー国王はイギリスに逃げちゃうんですね。で、そこに残ったノルウェー人達はナチスドイツに屈服して、ユダヤ人狩りを始めるっていう・・実際にあった話。
(赤江珠緒)
うわぁ〜。。
(町山智浩)
はい。これがねぇ〜。。だから彼らは信じて、ノルウェーの人達が守ってくれると思ったんだけど、やっぱり守れなかったんですね。で、これ実在の一家でですね、主人公はチャールズというボクサーで、ノルウェーのチャンピオンになるのかな、国内で。アマチュアボクシングで。ところが収容所に入れられるんですね。
(赤江珠緒)
完全にやっぱり、裏切られて?
元ボクサーの主人公は裏切られ収容所に入れられる
(町山智浩)
裏切られて。で、収容所のね、所長みたいな看守のね、看守長みたいなのがね、元ボクサーなんですよ。
(赤江珠緒)
ほう。
(町山智浩)
で、「君の試合見たよ。僕は君と戦うのが夢だったんだ。一緒に試合しよう!」とか言うんですよ。でもそれが非常に微妙で、もし試合をして殴ったら、その後に何をされるかわからないですよね。
(赤江珠緒)
えぇ〜。
(町山智浩)
でも断ったら断ったで、「なんだよ俺と試合したくないのかよ。」拷問されるというね。
(赤江珠緒)
えー!
(山里亮太)
地獄。。
ユダヤ系の人達は773人がノルウェーからアウシュビッツに送られ殺される
(町山智浩)
どうしたらいいのかよく分からないという状況に追い込まれるんですけど。で、まぁ結局ユダヤ系の人達はですね、773人がアウシュビッツにノルウェーから送られて、まぁ殺されるんですね。
で、このチャールズ君を始め、このブラウデ一家は果たして生き残る事ができるのか!?という映画が、この『ホロコーストの罪人』なんですよ。はい。これ実話なんで、調べるとどうなったのかはわかっちゃうんですけども。調べないで見てもらいたいなと思いますが。で、これでね、すごいのは、そのナチスドイツがやってるんじゃなくて実際の現場でその彼・・ユダヤ人を狩り立てて、財産を取り上げて、アウシュビッツに送るっていう事をしてるのは全部ノルウェー人なんですよ。
(赤江珠緒)
えー!じゃぁそのノルウェーの人達も、ちょっと前まではナチスに対抗するんだ!って言って・・。
(町山智浩)
そう!ナチスと戦ってユダヤ人を守ろうって言っていたユダヤ人の人達の隣人だったんですよ、みんな。
(赤江珠緒)
それがそんなにガラッと変わっちゃうんですか?
ノルウェーの原題は・・
(町山智浩)
ガラッと変わっちゃうんですよ。だって自分達が危なくなるから、自分たちの身を守る為に。で裏切っちゃうんですよ。というね、これはノルウェー映画なんですけど、ノルウェーの人達が自分達の罪をつぐなう為に作られた映画なので、ノルウェーの原題は、『最も大きな罪』っていうタイトルなんですね。だからこれはね、すごくノルウェー人にとっても、すごく厳しい映画になってますね。
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
⑦ノルウェーの原題は、『最も大きな罪』